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August 19, 2007

Roulette

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古い表現だろうが、飲む、打つ、買う、というのがある。今日は、
打つ、の分野に属するカジノに関して。

僕は浅田次郎さんの小説のファンであるが、氏は競馬のプロである。
長年続けて勝っておられる。こういう方はプロのプロでも珍しく、
ほんの一握りのプロだけである。その希少な方が、競馬とは必ず負
けるものだ、と断言されている。まちがいはないだろう。

僕はロンドンや大陸のあちこちのカジノで結構な期間遊び、賭け方
のメソドロジーもそれなりに研究してみた。その後、勝てるはずが
ないことを悟って卒業した、という訳ではなく、時間と金を使って
その行為を楽しみ苦しみ、もうええわ、というところで卒業した。

勝つこともあった。数時間勝負で、ちょっとした車を買える位の馬
鹿勝ちをしたこともある。しかし、結局負けるのである。その時間
軸が長いほど、必ず結果的には負ける。勝とうと思って行くべきと
ころでは無いのだ。負けるのだけど楽しい、のが健康的なカジノ屋
さんの楽しみ方である。

ルーレットを例に取ってみよう。英国の場合、盤に0から36の数
字が並んでいる。ルーレットを回して白玉を投げ、玉が落ちた数字
が当たりとなる。当たりの確立はシンプルに 1/37 である。仮に1
ポンドのチップを全ての数字に置いてみよう。37枚(ポンド)の
うち、必ず1枚が当たりとなる。当たればなんでも嬉しい。しかし、
配当されるのは35枚(ポンド)なのである。2ポンドの負け。カ
ジノという大元は 2/37、会計的に言うと 5.4% を荒利として商売
しているのである。普通の商売では成り立たない程の低い荒利率で
ある。

カジノが良心的な博打屋であることが分かるだろう。賭ける方から
見れば、94.6%という高勝率なのである。これは競馬やロンドン市
内に多数存在する賭け屋に比べて異常に高い還元率である。ルーレッ
トというと、なにかディーラーが技を使ってかけた数字を外すと信
じている方もいらっしゃるようだが、近代のカジノでそういう商法
を取れば、一週間で客は寄り付かなくなるし、大体そのディーラー
は初日で首になる。ディーラーには、とにかく数字をばら撒くこと、
ランダム性を指導する。

これほど高い勝率なのに、なぜこんなに負けるのか。それはヒトの
心理とか色々あるが、確実なことは、大元が5.4%という微妙な数字
を、荒利として設定して、確実に儲けるからである。確立とは、サ
ンプル数が多いほど計算どおりになる。カジノの場合、サンプル数
は一日の売上げ(客が幾ら使ったか)と、何日間営業したかの掛け
算となる。新装開店のカジノの初日は、もしかして赤字になるかも
しれない。しかし、何日も営業を続ければ、ルーレット台からの荒利
率は5.4%に限りなく近づくのである。

前述したように、5.4%という荒利率は、可哀想な位、商売としては低
い。ここからディーラーに出す給料や設備投資を捻出しなければな
らない。カジノ経営者達の最大のミッションは売上げを伸ばすこと
だ。他の商売と違って、売上げが伸びれば確実にその5.4%の荒利が
出ることがわかっているから、イベントを企画したり、頻繁に内装
工事を行ったりと、客の引き込みに必死なのだ。ディーラーによる
操作の教育なんぞやっている暇は無いのだ。

さて、ここ数年の僕の博打道は、年収の1%を年に1度か2度どば
っとカジノで賭けてみる、というものである。素敵な女性に同行し
て頂くと、大半は初めてという方が多いので、ビギナーズラックが
期待できて更に楽しい。そしてカジノというあの独特の雰囲気とカ
クテルなんぞをお楽しみ頂き、儲けたら利益折半、負けたらそれま
でである。今年は既に2度通い、一度目はちょいと負けた。2度目
は結構勝った。折半利益は僕の同居人の懐に収まった。ラッキーな
奴だ。

投稿者 lib : August 19, 2007 09:45 AM

コメント

Casinoで勝ったから・・・と、猫ちゃんの病気の治療費をカンパしてくださった人がいました。
WienのCasino、もうずいぶんと行ってませんが、一昔前は、ドレスアップの男女であふれている華やかな社交場でした。

投稿者 Tさんファン : August 19, 2007 07:05 PM

ギャンブルは・・・はまりそうで怖い(爆笑)のとお金がないので、夫とやるトランプで千円くらい負けたり勝ったり(微笑ましい♪)ぐらいですね~
それでもかなり熱くなります!

先日は、娘がお世話になり、本当にありがとうございました。
お美しい奥様にもお会いできて、うれしかったようです。
本当に良くして頂いて・・・親子して感激です。
あの通りの娘ですが、真面目で一生懸命な子ですから、案外外国に出て行けるかもしれません。(大文堂LLスクールで長い間学んだ英語と会話が役に立ったのか?大いに疑問です。)
「自分の力、大きさをしっかり把握して、大きすぎる夢は見ないように」と釘を差しておりますが、まだ、無理のようですね。
やりたいことと出来ることの違い、努力では補えない才能や幸運、チャンス。
まだ知らないから、強い。

チャレンジすることを私も夫も出来るだけ支援はしていくつもりです。
子どもを持つって大変なことも多いけれど、自分とは違う別の何かを見ることが出来る、とてもすごいことだなあと思うこの頃です。
訪れる「幸せさん」を、大切に育んでゆかれることを、遠くから祈っております。

投稿者 べっち : August 21, 2007 06:18 AM

ご令嬢たいしたもんです。この若さで、5年先のビジョンを大まかにかつ根っこをきちんともっておられます。ちと自分を振り返ると恥ずかしい限りだなあ。知らない強さと、知る弱さ、結局どっちが強いものかは、火を見るよりも明白です。素敵なお嬢さん、羨ましいですね。
僕個人的には彼女の眼鏡が気に入りました、なにかあれがちろっと主張していますね。でも、もうすぐ巣立っちゃいますね。頼もしいやら寂しいやら。

投稿者 yosh : August 26, 2007 08:34 PM

過分なお褒めの言葉、うれしいです。
子どもが巣立って行くのを見るのは、うれしいことですよ。ちゃんと、巣立って行くんですから。私の誇りです。
私は末っ子で甘やかされて育って、夫と結婚してから学んだことが多く、決して自分のようにならないように、心して育てたくらい自分に自信がないのです。ダメな母を反面教師に良い父を持って、彼女くらい18歳にして学んできた子はいないかも~
次代を担う子どもたちに、頑張って欲しいと思います。エールを送り、見守るのが親の務めの気がします。

娘の学費が終わったら(未来大学に行って留学したら?と言ってるのでまだ先ですが)どこかの国の子どもの里親になるつもりです。
娘同様、心の豊かな人に育ってくれたら、私も少しは良いことをした、と思えるかもしれません。

奥様からメールをいただき、お守りを喜んで下さって、良かったです。差し出がましいことをしたのでは、と思ってましたから。
12月には素晴らしいプレゼントが届きますね!

人とのつながりが、こんなにステキなんて、インターネットってすごいですね!

投稿者 べっち : September 5, 2007 03:32 AM

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