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October 04, 2007

蜜月(その1)

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夫婦の間に幸せ満点の蜜月(Honeymoon)があるように、生徒と教師の間にも蜜月が存在するように思います。何の問題もなく、未来への期待感がいっぱいで、幸せもいっぱいの関係が担当クラスの生徒達と続く期間があるのです。私はそれを勝手にHoneymoon Periodと呼んでいます。

今日はこれに関するお話。特に私が担任として受け持っている学級(I組)との関係について書きます。

勤務校での1年目、そして新任者研修期間(NQT Year)でもあった4年前は、ある7年生(中学一年生)クラスの副担任だった私(ちなみにその子達は今年で10年生)。そのときは完璧担任を支える裏方で、表立って責任を持つことも無く、ある意味楽な立場でした。それが教師2年目には自分の学級を持たされることに。担当となったのはその年に入ったばかりの中学1年生のクラスでした。

数年前からうちの学校は1学級完全2担任制(1クラスに担任が2人。担任・副担任という関係ではなく、2人とも同等な担任として扱われる)になりましたが、私がそのクラスを受け持つようになった当時は副担任はいたものの、担任はあくまでも私という構造。もちろん主導していくのは私の役目で、担任を持つということが私にとっては初体験な上、副担任のT先生は教師歴20年以上のベテランですから相当なプレッシャーを感じたものでした。それでも出だしはスムーズ。さすが新1年生はどの子も素直で協力的。このクラスを担当出来てよかったと心底思ったものです。

でも、この蜜月、永遠に続くものではないんですねぇ(遠い目)。

7年生も後半に入ると、彼女らも自分の色を出し始めるというか、Secondary schoolという新しい環境にも慣れてきて、どんどん我が出てくるんですね。難しいお年頃だという事実に加え、全員女という特異な環境。そんななかで、友達関係のもつれが出てきたり、軽い登校拒否に陥る子がいたり、やんちゃで失礼な態度をとるようになった子がいたりと様々な課題が出てきました。

彼女らが8年生になった年は私にとってまさに試行錯誤の年でした。T先生が改めて担任として認識され、私は経験も生徒とのスタンス、生徒指導のスタイルも違う彼女と同等に学級運営をすることになったのですから。そして、担任として私自身も自分のスタイルを確立し、学級の子供たちとどれだけいい関係が築けるか、その器量を試された年だったような気がします。

ちなみに学校にすっかり慣れてきた8年生は「魔の学年」とも言われる時期。どうしても気が緩んで規律が乱れやすいものなのです。私の場合はそれに加えて経験が浅いものですから、それに付け込むような態度をとる子が結構多かったのです。当時、T先生はかなりLaid-back(気楽な・くつろいだ)スタンス。私が不在のときは生徒を好きな場所に座らせたり、朝礼も生徒達が自由におしゃべりをして終わる、という感じだったようです。なので、規律を正そうとする私はもちろん生徒にとっては目の上のたんこぶ(現代っ子の生徒たちがよく使う言い回しだと「You’re so extra!=あなたってほんと余計」訳しづらいですが)。しかも私自身の生徒との接し方も今と比べると余裕がありませんでした。そういう状況の中、私に八つ当たりするように目の前でわざと私とT先生と比べたり、さらには残酷・無邪気なまでにも「T先生のほうが指導力がある」と言う子がいたり。今思えば、私の自信のなさ、焦り、不安を上手に読まれていたのですね。子供ってこちらがどれだけ自信を持って接しているかわかるのです。おどおどしているとすぐに付け込まれます。そんな当時は私も朝にForm Room(学級が朝礼の時間に集まる教室)に行くのが本当に憂鬱でたまらなかったものです、、、。(次週へ続く)

投稿者 lib : October 4, 2007 10:43 PM

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