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January 30, 2008

1月の風物詩 その2

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先週は 「電話線が切れて、ブログ 1回やすみ」というスゴロクの目が出た。
この話はまた今度。

さてさて、1月には非公式に Dの字がつくスペシャルディがいくつかあるらしい。

D Day その1は Divorce (離婚)の頭文字を取った Dだそうだ。
日本なら、 ㋷ の日。 離婚の 「り」の字をとった、「丸り」の日、といったところか。

クリスマスが終わり、新年 (元旦のみ。シャンパンつきだが、田作りや数の子はなし)が明けると、弁護士事務所に駆け込んで、離婚の手続きに入る。
おめでたいはずの新春に不吉な離婚を決意するカップルが毎年山のようにいるというから、怖いじゃありませんか。

それを家庭問題専門の弁護士事務所が 「へえ、いらっしゃい!」ともみ手をしながら待っている。 「春のいちご農家」とか、「冬の温泉宿」と一緒で弁護士事務所の稼ぎ時、繁忙期である。

12月に盛んに行われたオフィスパーティでの浮気行為。クリスマスに招待した気の染まない親戚との会話。また、休暇で長時間いっしょに過ごした結果、相手のアラが目に付いた夫婦がお互いにうんざりし、離婚を決意するピークに達するそうである。

オフィスパーティでの男女間の乱れようは私も目の当たりにした。
面倒事に巻き込まれないよう、酒でみんなの道徳観や羞恥心が吹っ飛ぶ前、10時半ころにさっさとパーティを抜けて帰宅するようにしているのはそのためである。

12月、シティの某ワインバー。
ワインバーの一角をプライベートに占領して飲んでいるグループを見かけた。どこかの会社の飲み会らしい。なーんとなく、不気味な空気が流れているスポットがあったので目をやると、男と女がいちゃついている。
が、そのカップル、女のほうは40代の後半、男は20代の半ば。

―――なんだか、見てはならないものを見てしまったような・・・

まわりの同僚らしき連中も途方に暮れた顔で彼らの 「禁断の痴態」 を見て見ぬふりをしている。

「お似合いのカップル」ではなくて、 「不似合いのカップル」だったなあ、あれ。
ふたりとも酒でどこかが切れちゃった感じ。
(翌日、死ぬほど後悔するんだろうなー)と思った。
で、どちらかが既婚者だったりすると、即席の不倫カップルのできあがり (しかも、微妙に不釣合いだし)。

イギリス人の女友達によると、
「オフィスパーティで日頃は気にもしてない同僚についフラート。で、翌日、ボスや同僚から 『見たぞー』って、笑いものにされるし、その彼も気まずそうに目をそらすから、マジでイヤ。罪悪感からボーイフレンドとの関係もギクシャク」ということらしい。

―――ははは、自業自得だと思います。

クリスマス休暇にダメになるカップルというのは、
1. お互いの親戚 (義理の母親とかだろうね)に我慢ができないためとか、
2. 長い時間を一緒に過ごして、相手が鼻についてくるため、だそうです。

親戚に不満があるというのは日本でもよく聞く話だ。が、日本人は相手の親戚をなるべく立てて、自分は我慢をするほうを選ぶことが多いのに比べて、イギリス人は自我を通してしまうのをよく見る。
で、大喧嘩になっちゃうんだろうね。
「何よ、あなたのお母さんたら、私に嫌味ばかり」
「君のせいだよ。君のお母さんには香水を贈ったのに、僕の母には安いハンドクリームなんて、差別じゃないか」みたいな会話になるんだろうか。

――― 意地っ張りなイギリス人との口論は不毛です。

また、夫婦水入らずのホリディシーズンは離婚への近道らしい。

日本では口もきかないまま何年も過ごす 「家庭内離婚」もいるそうだ。憎悪を含んだ沈黙の日々の中で、家の内壁がドローと淀んでくると思われる。
自分の気持ちに正直に生きるイギリス人がスパスパ離婚するのと、どっちがいいんだろうね? 

投稿者 lib : January 30, 2008 11:23 PM

コメント

そうそう、日本で夫と別寝室を希望する妻がいて、それが家を改装するビジネスになっているんだから、それもどーかなって、思ってた。日本は離婚より、ダンナ元気で留守がいい。が本音だから?ココ

投稿者 COCO : February 2, 2008 05:10 PM

まあ、2世帯よりも、1世帯の方が生活費を抑えることができますからねえ。 「親子二世代住宅」ならぬ、 「一夫婦二所帯同居住宅」 といったところ。
さすが、感情に流されず、効率性と経済性を大切にする日本人、というとこですか。
離婚して、男と女としてのけじめをつけるイギリス人、見かけによらず、なかなか血の熱い奴らということもできます。

投稿者 十貴川 洋子 : February 4, 2008 09:41 PM

日本の離婚率が低いのは、「生活費を抑えるため」だったとは気がつきませんでした。さすが経済観念の発達したニッポンの夫婦たち。だとすれば、イギリスも日本の様に既婚者を優遇する税制とかを取り入れれば、離婚率が減るかもしれませんね。
…離婚率は減っても、犯罪率が増えそうですが。

投稿者 子育てママ : February 6, 2008 04:34 PM

日本のお父さんは、離婚すると、 「家庭内の人事管理もできない男に、仕事はまかせられない」 と出世の障害になるという話を聞きました。
うちの会社には2回離婚して、3回目の結婚をしている同僚が2人いて、 「どちらが先に3回目の離婚をするか」 が賭けられていましたが、子供が生まれて、生活費の負担が増えたらしく、その後、2人とも離婚の話は聞きません。 
やはり、 「経済性にまさる離婚なし」 「愛情より、金」 なのでしょうかね。

投稿者 十貴川 洋子 : February 9, 2008 11:30 AM

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