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March 13, 2009

Work Experience

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先週、学校から10年生の姿が一斉に消えました。

実は毎年この時期、10年生がWork experience(職業体験)に出かけるのです。

それぞれの行政区の認可を受けた受け入れ先に、1-3人ずつ我が校から職業体験生として2週間派遣される仕組みです。

受け入れ先は薬局からスーパー、保育園や小学校、そして会計事務所まで実に様々。

早いもので今年は私が担任を受け持つクラスの子達が職業訓練に出る年で、彼女らも色々な場所へ派遣されていきました。

一応、体験したい職業、派遣先の地域をおおまかに選べるものの、全てが希望通りにはならないため、彼女らの間では多少不満はあったよう。

残念なことに数人ほど最後まで受け入れ先が見つからず、うちの学校で職業体験をすることになった子も数人いました。

何はともあれ、先週からこの職業体験期間が始まりました。

まぁ、朝の会がないと私の一日の始まりは平和そのもの(笑)でも、静かなのも少し寂しいのでした。

そういうわけで、うちの学校で職業体験中のクラスの子を見つけると一層親しみを感じて思わず声をかけてしまう私でした。

さて、この職業訓練中はもちろん10年生の授業がないわけですが、だからといって「授業がない!ばんざーい!!」というわけには行きません、、、。

10年生の担任、そして10年生を教えている教科担当の教師たちはこの期間中に最低3人の生徒の派遣先を訪問しなくてはいけないのです。

訪問の際には生徒自身と生徒のSupervisor(監督者)と面談をし、簡単な報告書を提出しなくてはいけません。

今年は自分の担任クラスの年ということもあり、私はこの訪問をいつもより楽しみにしていました。

ただ、訪問先を決めるのは早い者勝ちなので学校から近い場所、3人以上の生徒が同時に派遣されている場所は結構他の同僚たちがすでに訪問を決めてしまっており、私が行くことになったのはどれも地下鉄を使わないと行くのが難しい場所。

早速、クラスの生徒3人の受け入れ先に電話でアポイントメントを取り、先週の金曜日の午後に向かいました。

一つ目の場所は東ロンドンにあるイギリスのチェーン系のスーパー。二人の生徒が一緒に派遣されていました。

どちらの子も真面目でしっかりした子。訪問先到着後、彼女らのSupervisorと話をしましたが、どうやら文句1つ言わず一生懸命やっているようです。

彼女らとの面談も済ませて、最後に学校への報告のために写真を一枚ぱちり。

そして、次に向かった先は、イギリスの金融街にも近いオフィスの並ぶ地域。さっきの場所とは全く雰囲気の異なる場所です。それもそのはず、この訪問先は会計事務所なのです。

ここに受け入れてもらっている生徒は数学で秀でた才能を見せているL。根が真面目で頑張り屋、まわりの友達からも人一倍信頼されています。

彼女と面談して話を聞くと、数字に関係したことなら何でも好きらしく、この派遣先を大変気に入っている様子。

彼女のSupervisorもそんな彼女の働き振りを高く評価してくれ、担任として本当に嬉しく思いました。この子には本当にこの東ロンドンの環境に負けずにしっかりと自分の道を切り開いて満足のいく人生を送って欲しいなぁと思います。

ここでも彼女と、そして彼女の直属の上司を写真に収め、移動も含め、午後3時間以上に及ぶ訪問の旅が終わりました。

といってもこの職業体験、こんな美しい話ばかりではありません。実は、派遣先を嫌って、Supervisorの指示を無視したり、失礼な態度を取ったり、昼休み後にさぼって戻らなかったり、無断欠席・遅刻をして、事実上「解雇」になった子が学年で数人いました。

そのうちの一人は実は私のクラスの生徒で、あと一回問題をおこせば退学になる子です。去年から停学を繰り返し、立て続けに問題をおこしていた彼女。

そのなかにははっきりいって背筋が凍ってしまうような話もありました。15歳の子供がこういうことをできてしまうのか、と。今回も学年主任から話を聞いても正直全く驚けない自分がいました。

私の認識していた「常識」を超える彼女達。残念ながら自分の我がままを絶対の権利だと主張してやまない彼女らが学校を卒業したとき、社会はどのように彼女らを受け止めるのでしょうか。

大学入学や資格取得のためにGCSEよりも上のコースに進まなければ来年で卒業する彼女ら。経済が不安定な今、その彼女らに一体どんな現実が待っているのか、、、。

生徒たちの成長ぶりをみて感動すると同時に、灰色な未来も垣間見た今回のWork Experience。なんとも複雑な気持ちになったのでした。来週は全員と再会。皆、一体どんな体験をし、成長したのでしょうか。楽しみでもあり、少し不安でもあります。

投稿者 lib : March 13, 2009 09:39 AM

コメント

はじめまして月子様。日本の炭素肥料と申します。英国で頑張っておられるご様子拝読いたしました。筋違いのコメントですがご勘弁のほど。英国の方が喜びそうな日本の技術・科学の話です。でも誰にでも関係があります。ちょっと聞いてください。窒素、リン、カリ(NPK)という肥料元素があることはご存知と思います。「ひょっとしたら炭素肥料が生まれているのでは?」というサイトが次のものです。http://foodpia.geocities.jp/pta_method/
グーグル検索では[PTA Method][carbon fertilizer]です。無料でウイルスのないサイトです。
ここに、家畜排せつ物を薬品処理したものを施肥すると、仏の超高級ワイン相当のワインが簡単に安くできることが書いています。また、英国でも美味しい野菜が生産できて「世界一不味い英国料理」の汚名が返上できることが書いています。言い換えれば、フランス人の高い鼻をちょっと圧し折ることができるかも・・・という話です。日本語です。英国人とお会いする機会があるなら、ご自慢されては如何でしょうか。場違いなコメントとは知りつつ、ごめんなさい。

投稿者 tansohiryou : March 19, 2009 01:18 AM

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