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May 26, 2009

私をフットボールに連れてって その2

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フットボールの試合を見に行った。

一度は見てみたいと思ってはいたものの、チケット入手は難しく、しかも100ポンドもするとか。ファンでもないのに興味本位で行くには手間ひまがかかるし高すぎる。

・・・と友人が 「フットボールゲームのチケットがあるんだけど、明日の土曜日ひま?」 と電話をしてきた。翌日の予定は 「庭仕事」だけだ。 ガーデニングは来週に延期しよう。芝には悪いが、もう1週間は勝手に伸びてもらうことにする。

「チェルシーのホームゲームで相手はフラムだよ」
チェルシーといえば、有名なチーム、のはず。相方はフラム(フルハム?)両方ともロンドンの地元チームだそうだ。どうせ行くなら有名チームが見たいと思っていたのでよかった。3丁目かもめ商店街チームなんてよりは、チェルシーとか、マンチェスター・ユナイテッドとか、アースナルとか、えーと、他にもあったっけ? ニューヨーク・ヤンキース? 

さて、重要な質問だ。

「何を着ていけばいいの?」
「何でもいいよ」

ほーら、出た。 「何でもいいよ」って、何でもいいわけないじゃない。
スポーツイベントでも、アスコット競馬とウィンブルドンテニスと着ていくものは違うし、アスコットだって、メンバーズクロージャーなら、一般席とは違うでしょうに。

「で、他のメンバーは?」
それがわかれば、なんとなく着ていくものが決まる。 
「えーとね、ロンドンのクラブのオーナーとファッションハウスの人だよ」
・・・何でそんな派手な商売の人たちと私を一緒の席にするの?
どうしよう、何を着ていこう? 

(うわー、去年のシーズンの服を着てる、この女)とか 
(15センチ以下のヒールとストッキング履いた女なんか、久しぶりに見た。ダッセー。僕のクラブに足を踏み入れて欲しくないね)とか思われたらどうしよう? 
すみませんねえ、ウエストエンドのトレンディでファッショナブルな皆様に比べて、シティの勤め人なんて、スーツに中ヒールとかが定番なんですけど。 

と、心配したが、結局はオーナーの親戚の男の子、とファッションハウスの経理担当の人が来るらしい。よかった。

1時にフルハム・ブロードウェイの駅で待ち合わせる。
他の人たちも思ったよりは地味で胸をなでおろした。「経理担当」の人はいかにも 「経理担当です」という真面目そうな感じで、職業上のキャラは万国共通かも。チェルシーファンという男の子は19歳 「チェルシーが勝つといいな」と興奮している。

駅を出てスタジアムに向かう。ほんの2,3分の距離だ。
選手の名前と背番号のシャツを着てワクワクした顔の少年が父親に手を引かれている。
XX選手が彼のヒーローか。 坊や、将来はフットボール選手ね、とお母さんに言われているんだろうな、と、ほほえましい感じだが。
腹の出た中年男がチームシャツでなく、選手のシャツを着てウキウキしているのは
XX選手が彼のヒーローか。 あんた、フットボールもいい加減してよ、と奥さんに言われているんだろうなあ、と見ているほうが困った気持ちになってしまう。

「・・・チケットあるよ」
「メイト (おにいさん、という感じの呼びかけ)チケット余ってたら買うよ・・・」
とダフ屋のささやき声があちこちからかかる。
なんだか武道館のロックコンサートに向かっている気分である。

「チケット買わない?」というのと、
「お兄さん、遊んでいかない?」というのは、その気のない通行人にとってはドギマギさせられるものだ。(後者は言われたことはないが・・・)

「いくら位で売ってるものなの」と聞くと、
「40-50ポンドで買いとって、80-150ポンドで転売かな。席によるけど」ということらしい。高いのね、フットボールって。オペラより高いなんて。

と、この日はゲストルームへのご招待だ。
15-16人用の部屋代は1ゲームが4000ポンド。年間でホームゲームは約20試合だそうだから、シーズンで8万ポンド? ゲストルームもシーズン契約だそうだ。この階には16部屋ある(つい、数えてしまった)。上の2フロアもゲストルームがあり、スタジアム向かい側にも同じようにあるようだ(これも数えた)。42000人入れるスタジアムで、もし1席を50ポンドとすると・・・(貧乏人はこうやって必ず掛け算したり、日割り計算したりする。私のように)

ビジネスモデルとしてのフットボールはすごい・・・。完全にオペラの負けだ。

投稿者 lib : May 26, 2009 04:09 PM

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