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August 03, 2009

ロイヤルアスコット その3

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さらなるアスコットである。


ロイヤル・クロージャーが 天上、別格、超、特別、貴賓席でないことには、少しというか、相当がっくりしたが、それはそれ。 曇り気味の空を気にしながらも、久しぶりのアスコットで群集を見物。


「力いっぱい着飾ってきました。 あたしの晴れ姿を見てー」 という淑女の面々だ。 この日はレディス・ディではないかったので、ゲゲ・・・よく家族が止めなかったね、と言うキワモノはなかったが、とりあえず全員が帽子をかぶっている。 ずいぶん高そうな帽子も見かけた。来年も同じ帽子というわけにもいかないだろうに、どうするんでしょ? (いかにも貧乏人の発想)


ドレスコードぎりぎりのスカート丈やネックラインもいたが、 「アスコット競馬、服装規定検定委員会」 から、お目こぼしに預かったらしい。 目がチカチカする艶やかさだ。 60-70歳と思える女性もかなりの数がフューシャピンク(ショッキングピンク?)のドレスとお花畑のような帽子で決めている。たぶん私の一生で一番多くのフューシャピンクの服と帽子を見た日と考えて間違いない。


「クリスチャン・ラボーティンだよ、あれ。700ポンドはするね」と友人。 

あ、本当だ。 10センチもあるようなスティレトゥヒールを芝生にずぼずぼと埋めながら、女が歩いている。 そう言えば、みんな気張ってすごいヒールを履いている。


ふふふ、バカ女たち。


ここは競馬場。クラブではないのだ。 レースの日に歩く距離を考えていないだろう。


まず、パドックに行き、次のレースの馬を見る。 で、勝ち馬に目星をつけたら、馬券を買う。 観覧席に戻る。 レースを見る。 とことん負ける。 悔し紛れに馬券を千切る。 それから、また、パドックに行き、次のレースの馬を見る。 で、勝ち馬に目星をつけたら、馬券を買う。 観覧席に戻る。 レースを見る。 とことん負ける。 悔し紛れに馬券を千切る。・・・と、また、パドックに・・・。


これをレースの数だけ繰り返すのだ。 おまけに競馬場は広い。 一日に歩く距離は数キロを軽く越える。10センチのスティレトゥヒールなんか履いている場合ではない。


さて、男は全員がモーニングスーツでトップハットだ。 たぶん、99%が貸衣装で、おまけに生まれて初めて着たのだろうけど、さすがはイギリス人、結構、 似合うね。 日本人の男が一生に一度だけ、紋付羽織はかまを結婚式で着ても、あっさり着こなせてしまうのと同じだろうね。


中学生くらいの男の子たちもモーニング、トップハット姿だが、これはあまりにしっくりいっていないので笑えた。 仮装行列みたい。


最高のフロックで着飾り、いかにも伝統的な貴族のお遊びという感じだが、違うのは大多数が 「大枚払って一生の記念にやって来た一般人」だったことだ。 私も含めて。 あ、私は払ってないか。 私は 「タダ券貰ってやって来た一般人」でした。


ごくたまに年季の入ったモーニングスーツ(自前、しかも最低30年くらいは着てそう)を着たお爺さんがいる。 こんなお爺さんは

(チッ、下層階級の小娘、小僧っ子がウロウロして、アスコットも品が落ちたね。 ああ、昔が懐かしいよ)とか思ってるんだろうな。 


ランチのときに 「ボクはどんなに苦労をして、幾ら払って、このモーニングスーツとトップハットを貸衣装屋から借りてきたか」 の話で盛り上がった。 

「このトップハットしか残っていなかった。サイズが大きすぎるので、お店の人のアドバイスで新聞紙を詰めてかぶっている」人もいたし。


ちなみにスローンスクエアで借りた人は100ポンド強。 郊外の店で借りた人は60ポンドだったとか。 「でも、ちょっと袖が短い・・・」そうである。


こちらは帽子選びで苦労したが、男の人も大変だったようである。


友人と私の身長差は30センチ。 で、トップハットが加わるとさらに30センチ。 巨人と小人のような二人組であった。


まだまだ続く。 面白かったので。

投稿者 lib : August 3, 2009 04:24 PM

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