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July 01, 2010

ギリシャ旅行 その2

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ホテルへの道すがら、公園にたむろする得体の知れない男たち・・・。日本から来ている親戚の子の顔には (治安は大丈夫なのか・・・?)という表情が浮かんでいる。 ロンドンでいえば、ハックニーかブリクストンの一部といった雰囲気で、夜ひとり歩きはしたくない感じである。

この公園の雰囲気に慣れるまでに少し時間がかかったが、どうやらギリシャの出稼ぎの人たちが 「公園に集まり、何をするでもなく、友達とウロウロする」のは社交のお約束のようである。 イギリスでもパブの中にはテーブルや椅子があるにもかかわらず、なぜ、わざわざ外で、しかも立って飲むのか? という疑問があるが、ギリシャも同じく 「社交の場とその集い方」 が公園ウロウロだと思われる。危険はないようだ。

公園といい、路上といい、露天商 (というほどのものか?)が多い。 アフリカ系は偽ブランドバックを地面に敷いたシーツの上に広げるか、サングラス(レーバンが中心、っていうか、レーバンのシールが張ってある)を折りたたみ式のテーブル(台になるダンボール箱は中国語のメーカー名入り)。 商品もシーツの大きさも同じため、 「のれん分けフランチャイズ方式」と思われる。 一度、夕方にいっせいに店じまいするのを見たため、思わず時計を見て、 (8時40分が閉店時間か?) と思ったが、警察のパトロールが来たらしい。 いちおう、非合法なわけね。 シーツなら並べてある商品をくるりと包めるし、折りたたみ式のテーブル上のサングラスはゴムで止めつけてあるため、あっという間に撤去が可能で、店開きも1分である。

アジア系はソックス、下着、台所用品と小物の商いだ。 このほかに子供の握りこぶしくらいの大きさでトマトや豚の形をしたゴムボールを売っている。 これを30センチ四方の合板の上に叩きつける。 と、ボールは生卵を割ったようにびょーんと広がる。 で、しばらくすると元の形にもどるというものだ。 私はこれが欲しくてたまらず、いつも横目で見ていたのだが、こんなものを・・・と思われるのがイヤで我慢していた。 ・・・最終日まではね。 結局、数個買って、イギリスで試したが、アテネと違って気温が低くボールが硬くなっているのか、叩きつけ技術が未熟なのか、イマイチうまく広がらない。 現在、練習中である。

みんな、偉いなあ。 こうやって、外国で働きながら(たぶん正式な労働許可証はなし)自国にいる家族に仕送りをしているんだろう。 家族には 「外国で自分の店舗を持ったビジネスマン」 と思われているはずだ。 同じく外国で働いてはいるが、いまだに親からのお小遣いを当てにしている誰か(注: 私)とは大違いである。

さて、一夜明け、観光の初日である。

やはり、ギリシャの目玉はパルテノン神殿でしょう、ということでアクロポリスに向かう。 予習活動のおかげで、アテネの名所旧跡の位置関係、地下鉄の路線と主要駅、遺跡や博物館の入場料等は頭に入っている。 現在、12ユーロ、4日間有効で、アクロポリス、ケラメイコ、アゴラ、ローマフォーラムと風の塔、ゼウス神殿に入場できる。

ほほほ、私は仕事ではボーッとしているけど、遊びになるとしっかりしてるのよー!

アクロポリス駅から、まずは逆方向のゼウスの神殿へ。 イギリス人の友人は 「ズース」と発音するが、いまひとつ、ギリシャ神話らしくないなあ。 日本人の親戚の子と 「ズースじゃなくて、ゼウスのほうが強そうだよね」とひそひそ相談する。 

「全能の神、ズース」 ほらね、いまいちでしょ?

そういえば、英語で 「まるでギリシャ語だ」という表現がある。 「わけがわからない」 「意味不明」 という意味らしい。 たしかに表示がギリシャ文字だとシグマだのベータだの、数学の時間を思い出す。 ホテルはビクトリア駅の近くだったのだが、英語表記の上のギリシャ文字は B (たぶんベータ)で始まっている。 日本人の苦手な V だが、「ヴィクトリア」 なら、V 始まりだろうと思うと大間違い。 英語圏の頭には大混乱であろう。あてね市、びくとりあ駅。

さて、ゼウス神殿。 デカイ! 柱しか残っていないのだが、天に届こうかという大きさだ。 ああ、アテネに来たんだな、と、しみじみと感じる光景である。1本の柱は横倒しになっていて、おでんの大根のように輪切り状態になっている。 そうか、倒れることもあるのか・・・。ここで地震が起こって、柱の下敷きになったりしたら、ヤバイ。ギリシャ神話は他の神話に比べて、天罰の下り率が高いし、危険である。 早く次に。

次はパルテノン神殿のあるアクロポリスの丘だ。 この日は第一日曜日で入場料は無料。 ユーロに対してポンドが弱い今、倹約できるものはしなくては。 さて、坂道を上がって、上がって、上がって・・・どこにあるんだ、パルテノン? できれば、矢印が欲しい。 名所は観光客の行く方向についていけば、いつの間にか到着しているものだが、観光客は不規則な動きを取り、一定の方向に進んでいない。 もしかして、道に迷ったかもと思い始めた頃、山の上に向かうような道が見えた。 ギリシャ政府にもう一度、言いたい。 わかりやすい矢印を立ててくれ。

続く

投稿者 lib : July 1, 2010 04:34 PM

コメント

確かに「ズース」ではさっぱり迫力がありま
せんね(笑)
東洋の観光客に、倒れた円柱をオデンの大根呼ばわりされるとは、
ギリシャの神々もびっくりかも

投稿者 kana : July 10, 2010 04:33 AM

「よくも、大根のおでん呼ばわりしたなー! 我は全能の神、 ズースである。 天罰だ。 これを食らえ」  コーン! (小石が当たる音) これが、ズースではなくゼウスの場合、火山が爆発したりします。 しかし、天罰は・・・下った (続く) 

投稿者 十貴川 洋子 : July 16, 2010 02:00 PM

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