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February 16, 2011

KISS コンサート

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KISSのコンサートに行った。(2010年5月)ウェンブリー・アリーナである。 

KISSというバンドを知る人は多いが、大ファンという人はあまり聞かない。 胸を張ってファンです、と言うにはちょっとノリが軽過ぎるということだろうか? 

最近のコンサートはZZ Top とかBad Company とかで、コットンシャツとジーンズという気合の入っていない地味なおやじに客層が偏っていたが、今回は観客ウォッチングも期待できる。

さすがはハデハデ歌舞伎メイク、悪のりコスチュームバンドのコンサートだ。 
グループで揃ってバンドメンバーをコピーしていたり、Tシャツ姿でも白塗りでKISSメイクをしていたり、とお祭りムードが満載だ。 素人メイクのため、途中から汗で、ドロドロになっていたのもご愛嬌。 コスチュームを決めてきた連中には他の観客が一緒に記念撮影をしたりして、楽しい雰囲気である。 ロックコンサートはこれでなくちゃね。

KISSは4人組だ。 
メークとコスチュームは宇宙人、スターマン、モンスター、と 猫。 え、猫? もう一度、並べよう。 宇宙人、スターマン、モンスター、と 猫。・・・猫。 そうだ、ドラムスは猫男だったな。 なんだか、テーマに一貫性がない気もするが。 初代のドラマーはクスリに溺れてクビになり、現在のドラマーは二代目とか。 が、もちろん、厚塗りメークのため、ドラマー要員が数人いても区別はつかない。 疲れたからと途中で交代しても気づかれないだろう。

さて、この日に向けていつもの 「コンサート前の課題」である BEST HITSを購入しての予習をした。 さすがにポップバンド 「ああ、知ってるこの曲、これも、これも」と馴染みのメロディが流れてくる。 恥ずかしいディスコ時期 (メイクを取って演奏していた)のラインもある。 

いやー、懐メロ・ポップソングだ。

チケットを取るときも価格と席に悩む必要はなし。 何せ、スタンディングも、二階席も、前の方も、後ろの方も、全席同一価格の45ポンド。 うれしいねえ、このファンへの心配り。 

隣の席は 「息子の誕生日でね。これは誕生日プレゼントなんだ」 というお父さんと小さな息子。 子供にかこつけて、父親のほうが来たかったのだと思うが。 父親はロックコンサートに慣れていないのか、腕の振り上げ方が中途半端。 のめりこむには恥ずかしいのか、肘が伸びきらずにオドオドした態度。 恥ずかしそうに歌詞を口の中でボソボソとつぶやいている。 ははは、ウブだなー。

途中バースディボーイの息子は眠たくなったらしく、お父さんの膝でウトウトし始めたので、後ろ髪を引かれる感じで退場していった。お父さん、残念だったね。

一緒に行った友人は10年前だか20年前だかにKISSを見たことがあるらしい。 当時、バンド名とロゴを書いたたれ幕 (たれ幕だって!)をステージに張っていたような、タネも仕掛けも工夫もない地味なコンサートがほとんどだった中で、花火は上がるわ、火の玉が空中浮遊するわ、ギターからロケット弾が飛ぶわ、で度肝を抜かれたらしい。

そうか、彼らも結構キャリアは長いんだ。 ストーンズのメンバーの顔のしわはグランドキャニオンくらいに深いし、その昔スレンダーな長髪青年だったらしいバドカンのメンバーもKFCのカーネルサンダースそっくりになっていたのを思い出す。

「ロックスター、当時、そして今」 みたいな写真集があると、かつての 「長髪」 「痩身」 青年 がすっかり 「ハゲか白髪、ビジネスマンカットかイガグリ頭」 「贅肉たっぷり、二重あご」 おやじになっている。 若い頃の削げた顔立ちはドラッグのやり過ぎを心配させたものだが、今の垂れた頬っぺたはコレステロール値の高さを心配させる、おやじロッカー達だ。 長髪スレンダー青年がカーネルサンダースになってしまうのだから、悲しい。 まだ、普通のサラリーマンのほうが外見上のギャップは少ないよね。

その点、KISSはいいよな。 昔のそのまんまだし。 20年後を考えてのメークだったのか?

ステージングが大掛かりなため、前座バンドの後、準備に少し時間がかかったが、大歓声を上回るド派手な開幕だ。エコロジーに反する大量のライティングがまぶしい。普通のコンサートなら1-2度スモークや花火があがるくらいだが、KISSの場合、毎曲ごとにこれでもかの大サービス。

大量の花火とスモーク、ギターから発射されるロケット弾、血を吐き、火を噴くジーン・シモンズ、ワイヤーで空中を飛び回るというお約束プレイが次々と披露される。 ジーン・シモンズが舌をベロベロするのは知っていたが、本当だ。 それも、たまにではなくて、2時間近く、ずーっとベロベロやっていた。舌が疲れて痙攣したりしないのかしらん。 ちょっと心配になった。

「わざわざチケットを買って、このコンサートに来てくれた君たちのために、うーんと長いコンサートにするぞ。アンコールなんて聞いたこともない位、何曲も演奏するからな。 覚悟はいいかな? いいかい、世界はいやな事や大惨事に溢れているんだ。せめてこのコンサートに来ている3時間だけは、つらい事を忘れて、たっぷり楽しんでくれ!」

ショービジネスプレーヤーの鏡だねえ。 

噂によるとベースのジーン・シモンズはロックミュージシャンには珍しくクスリをやらないそうだ。おまけに酒もタバコもしないとか。 が、グルーピーだけは例外で、来るもの拒まず。 で、笑ってしまうのが、ワンナイトスタンドの相手の写真を必ず撮るらしい。 で、写真のコレクションがあるという噂である。 
なぜ、写真を撮るのか? 何のためにきちんと収集するのか? 几帳面な性格なのか? 確か60に近い年齢のはずだが、いまだに継続しているのか? 昔はポラロイド写真を撮っていたそうだが、現在はデジカメと推測される。 写真は年代別になっているのか、国や都市で分けているのか、名前のアルファベット順か、気になるところだ。

そういえば、最近、シンプリーレッドのボーカルが 「売れていた頃、何も考えずに1000人ものグルーピーと寝た。 彼女たちに謝りたい」 とインタビューで話していたが、うーむ、あのご面相でそんなことをしていたのか? 赤毛の男はあまり異性に人気がないと聞いていたが、ショービジネスは侮れないものである。 もっとも、この発言は謝罪ではなく、自慢ではないかとも言われている。

ポールの約束とおり、コンサートは長時間で帰りの電車の時間が気になるほどだった。が、曲目が多いほど、お得感も高い。花火の回数も多かったしね。

ウェンブリーを出ると道端で売っているKISSの海賊版Tシャツを買った。 10ポンド。外で着るのは恥ずかしいので、パジャマにしている。

投稿者 lib : February 16, 2011 12:34 PM

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