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May 12, 2005

職場と公園  LiBホームページへ

chuzaiin.gif  私の職場の目の前には公園があります。ご存知の方も多いかとは思いますが、St. James's Parkという公園で、バッキンガム宮殿に面しています。Hyde ParkやRegent's Parkに比べれば小さいですが、個人的には、美しさではロンドン一ではないかと思っています。(かのベストセラー小説「Da Vinci Code」にも登場する由緒ある場所です。)

 昼休みなどに散歩すると、実にいろいろな人達に出くわします。場所柄、常に観光客で賑わっていますが、ベンチに座って熱心にタブロイド紙を読んでいる人や、わざわざそのために持ってきたと思われるパンをちぎりながら池の水鳥に放り投げている人もいます。芝生やデッキチェアの上でピクニックしている人達に混じって、スーツ姿のビジネスマンが大木に寄りかかって気持ち良さそうに寝ていたりしますが、仕事は大丈夫なのかと余計なお世話ながら心配してしまいます。

 東京の職場は、霞ヶ関という非常に殺伐とした場所でしたが、少々歩いたところに日比谷公園がありました。普段忙しい時には朝から晩まで建物の中にこもりっきりですが、夏など、少し余裕のあるときには昼休みに外に出て(といっても隣のビルに行くぐらいですが)、本当に余裕のあるとき(あまりありませんが)は日比谷公園まで繰り出すのが最高の贅沢でした。公園の噴水の周りでOLなどが座ってお弁当を食べていたりするのを見ると、全く別世界に来たような気持ちがしたものです。

 しかしこういっては何ですが、ロンドンの公園はやはり日比谷公園の比ではありません。職場から数十メートルしか離れていないところで、リスやペリカンに出くわすなどという環境は東京には無いでしょう(当たり前ですが)。物価の高さやサービス業の質の低さにいつも文句を言いながらも、イギリス、ロンドンの生活が何となく気に入っている日本人は多いと思いますが、イギリスの定義し難い良さは、こうした公園や、さらにはカントリーサイドに集約されているようにも感じられます。

 先日、知る人ぞ知る、St. James's Parkの無料ガイドウォークに参加しました。公園の案内板に小さく掲示されているもので、まさに知る人ぞ知る企画ではないでしょうか。平日のランチタイムですが、どこから湧き出してきたのかというぐらい、意外に大勢の人が集まっています。観光客らしき人はいません(というか、観光客がこんな企画の情報をキャッチして参加するのは不可能でしょう)。スーツを着ているのは私だけでした。多くは、近所の主婦や、年金生活者のご夫妻かと思われます。このウォークはなかなか優れもので、いつも何気なく目にしている木々にまつわる小話や、バッキンガム宮殿の前に聳え立つVictoria Memorialにどういう意味があるかといったことまで教えてくれます。ロンドンに住んでいると、あまりこうしたツアーなどに参加する誘因がありませんが、灯台下暗しというように、結構新たな発見があるものです。近所の別の官庁で働く友人も、最近課の懇親会で、「切り裂きジャック」(Jack the Ripper)のゆかりの場所を回るウォーキングツアーに皆で参加したと言っていました。(懇親会でJack the Ripperというのもどうかと思いますが。)

 いずれにせよ、職場の周りにこうした豊かな自然があるというのは、東京ではなかなか得がたい贅沢であると改めて実感します。

投稿者 lib : May 12, 2005 01:11 PM

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