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August 23, 2005
イギリス人の同僚たち-その1
英国企業に勤めている。
イギリス各地にある関連会社を含めると700人くらいの小さな会社で、ロンドンには数ヶ所のオフィスがある。同じビル内で働くのは200人ほどだろうか。
いままでの階は全員がクライアントを持つ部署で、いつも華やかな雰囲気があった。
いかにも金融街シティのビジネスマンといった連中で、男なら仕立てのいいダークスーツにカラフルで鮮やかなシャツとネクタイ。ひねったデザインのカフスボタンにピカピカに磨かれた靴。いつもグルーミングされた髪に自信満々の笑顔。
女のほうはビジネススーツにスティレトーヒール。完璧なメイクで、口元には微笑みを目には闘争心を、というタイプに囲まれていた。
職場の雰囲気もいい意味でピリッとしていたのだ。
ところが最近、ビル内で引越しがあった。今までのところが手狭になったので、他の階の部署で余ったスペースに移らせてもらったのだ。
新しいオフィススペースはキャビネットも大きくなり、電話の回線も増えたものの、デスク周りの顔ぶれがずいぶん違う。同じ会社で働いていてもパーティや講習会でしか会ったことのない連中だ。
仕事上は関係ないが、同じスペースを使うので給湯室やコピー機で顔を合わせるようになる。
薫の君 (かおるのきみ)
50代の半ばだろうか。不細工とはいえないが、冴えないおじさんである。キャビネットあたりですれ違うと・・・匂う。独特の匂いがする。
最初は気のせいかと思ったが、毎回である。
そのうちこれは「加齢臭」、お年寄りの家を訪ねるとよくある匂いだと気づいた。日本人もイギリス白人も加齢臭は同じだということを発見。
それにしても、どのくらいの頻度でお風呂に入ったり、着替えているのだろうか?
独身で母親と二人暮しだそうだ。お母さんの「加齢臭」も一緒に家から持ってくるのかもしれない。
クリスマスパーティの席割りの話をしていた秘書が嘆く。臭いので誰も隣に座りたがらないという。私も堪忍してほしい。
話をしてみると温厚で、恵まれない子供のためのチャリティ募金なんかして、性格はよさそうである。
ガールフレンドもいないようなので、彼に興味のある方は私までご一報ください。
ミニスカート美人
一人はブロンド、もう一人はブルネット。美人でカービィな身体つき、おしゃれで趣味のいい服を着ている。
ほとんど毎日、ミニスカートにスティレトーヒールの靴。二人とも女の私が見ても惚れ惚れするほどのみごとな脚線美である。
バリキャリ(バリバリのキャリアウーマン)で仕事もできるし、部下の面倒見もいい。パブでは話を盛り上がらせるチャーミングな二人である。
が、問題は二人とも50代の後半であることだ。あの年でミニスカートにスティレトーヒールか。うーん。
しかし、職場の男性はきちんと二人を褒めてあげている。
「今日もとってもきれいだね。そのピンクのスカート、よく似合うよ」とかなんとか。
間違っても、
「ずいぶんXづくりしてるね」
(Xの伏字部分には「若貴騒動」の中から、一文字をお選びください。)
などとは言われない。
自分の服装ポリシーを貫く二人といい、女性は必ず褒めるという男たちの態度。これは日本のオフィスでは見られない光景かもしれない。
海水浴客
客商売の部門ではない人はスーツ姿でないこともある。私は10年も今の会社に勤めながら、スーツ以外で働いているのはメッセンジャーボーイ(郵便や書類を配る人)だけかと思っていた。
Tシャツあり、ポロシャツあり、夏なんかゴム草履もどきで会社に来るのもいる。服装規定があるのか、ジーンズはいないのだが、なんだかシティのオフィスには思えない雰囲気である。
スーツを着れば、それなりにエラソーに見えるイギリス人だが、カジュアルなシャツだとデブな腹回りがむき出しになる。
なんとなく視線がぽっこりした腹回りにいってしまい、そのユルそうな雰囲気に、
「こいつは仕事ができないのでは?」
などと科学的根拠のない疑問がわく。
(まさか妊娠?)
そう思わせる若い女の子もいるが、それ以上大きくならないところを見ると、その腹に入っているのは赤ちゃんではなく、ポテトやチョコレートらしい。
サマーホリディから帰ってきて、日焼けした顔をほころばせ、Tシャツにぽっこり腹の同僚を見ると、会社ではなく海水浴に来ている気分になり、労働意欲が著しく削がれてしまう。何とかして欲しい。
会社では日本人は私だけなので、ここに書いていることはバレないと思う。(たぶん)
でも、みんないい人たちです。(無理やりのシメ)
続く
投稿者 lib : August 23, 2005 07:36 PM
コメント
人間観察がおもしろい。
電車の中とか、オフィスとか、
毎日こんな見方をしていたら
楽しいだろうな。
ランチの話題とかにぴったり。
本人に聞こえたらまずいけど。
お腹かかえて笑って、
元気になれます。
投稿者 杉山 邦子 : November 14, 2005 12:03 PM