« 出産も「あなた次第」?その3 涙のご対面 | メイン | 通勤電車 »

September 01, 2005

夏も終わりに

chuzaiin.gif 早くも夏が終わろうとしています。今年の夏は、一昨年と同様に猛暑になるなどと予報されていましたが、結局本格的な暑さを迎えることは最後までありませんでした。これに対して日本では、ただでさえ暑い夏が今年は例年にも増してひどく、「クールビズ」なる軽装がはやっているとのことです。この「クールビズ」というのもいかにも日本的な風習です。そもそも、日本のような高温多湿な国で、真夏に背広を着てネクタイを締めるのは合理的でないというのは誰もがわかっていながら、我慢して正装を維持していました。それが、総理の一声でお墨付きが出ると、とたんに皆がネクタイを外し出し、今度はそれが当たり前になります。「赤信号皆で渡れば怖くない」という名言?もあるように、なかなか人と違うことをしにくい日本の社会では、やはり偉い人が率先してやらないと物事が変わらないのかもしれません。
 イギリスの職場では服装もまちまちです。特に「カジュアル・フライデー」などでなくとも、普段着の人も多く、夏はTシャツと短パンなどという姿も見かけます。もっとも、日本の官庁の職場でも、冷房の切れた後の長い残業はこうした格好で行うこともありましたが、正規の勤務時間中(5時45分まで)は一応ちゃんとスーツを着るという暗黙の了解のようなものがありました。誰がチェックするわけでもないし、そもそも正規の終業時間など実質的には無意味であるにも関わらず、こうした「ルール」を守ってしまうのが面白いところです。
 イギリスでは逆に、休暇シーズン中の閑散とした職場の中でも、常にきちんと正装した紳士然とした人もいます。真夏でも、ちょっと雨が降り涼しいと、冬物のコートなど引っ張り出して着ている人がいるかと思えば、凍えそうな冬の日に半袖のシャツで平然と歩いている者もいます(この場合、慣習というより、そもそも体の造りが違うように思いますが)。それぞれの人が他人の目を気にせず好き勝手な服装をし、また誰も他人の格好を気にとめないこの国のファッションは、よくも悪くも個人主義を象徴しているのかもしれません。
 いずれにしても、駐在員としてイギリスで勤務する最大の喜びは、あの日本の暑い夏を回避できることでしょう。日本に帰ったときに、新居でまず行わなければならないことは、家具を買うよりも何も、冷房を取り付けることですから・・・

投稿者 lib : September 1, 2005 07:29 PM

コメント

コメントしてください




保存しますか?