« 天国への道  | メイン | ボルトンサポーター »

December 05, 2005

ロンドンママたちの人生いろいろ - マンディの巻

mama.gif  ロンドンに住んでいて有難いと思うことの一つに、チャイルドケアの充実ぶりがある。学校に通う前の子供を遊ばせることのできるプレイグループと呼ばれる場所は、私の家からでも徒歩圏に知っているだけで10はあるだろう。殆どが無料か、有料でも一回50ペンスから1ポンド程度の利用料も有難い。

私のお気に入りのプレイグループは自宅から徒歩10分の場所にある。ナイジェリア出身の女性が主催していて、彼女のフレンドリーで底抜けに明るい性格もあっていつも大盛況だ。(余談だが、「底抜けに明るいおばさん」というのは黒人に多い。日本人にもいる。でもイギリス人では見たこと無い。私が知らないだけか。「底抜けに」明るいイギリス人おばさんをご存知の方は、下のコメント欄からご一報下さい。)

このプレイグループはカウンシルフラット(公営住宅)に囲まれた立地からか、集まるママたちも複雑で謎の多い人生を送っていそうな人が多い。

マンディは、このプレイグループの主ともいえる存在だ。元夫と離婚して以来、女手ひとつで4人の子供を育てている英国版肝っ玉母さんだ。子供は17歳を筆頭に、15歳、13歳、一番下がまだ3歳。皆母親似なのでそれぞれの父親が同じかどうかは不明。余計なお世話だが。

このマンディ、基本的には3歳の末娘を遊ばせるためにプレイグループに来るのだが、謎なのは、17歳の長女も一緒にかかさず付いて来ることだ。それもオープンする9時半きっかりに入り、母娘でおもちゃを出したり場所を整えたり、スナックタイムにはキッチンに入り料理などの手伝いをし、終了する頃には部屋をかたずけ掃除をするなど、まあかいがいしく働く。きびきびしているし、あまりにも場を仕切っているので初めは雇われているスタッフかと思ったほどだ。ある日、本当のスタッフが、気が利かないとマンディに怒られていた。怒られた彼女は次の日から来なくなってしまった。(こういった職場は子供と遊んでいればいいのかと思っていたが、それなりに大変なのかも。)

そして長女だけでなく、2番目、3番目の二人の男の子もかなり頻繁に現れる。15歳の長男はパソコン室にこもってゲームをしていることが多い。次男は子供達と遊んでいる。要するに、一家総出でこのプレイグループに通勤通学(?)しているのだ。

おそらく、17歳の長女はプー太郎(今の言葉で言えばNEETか)、男の子二人は何らかの事情で不登校気味なのだろう。確かに、何もしないでぶらぶらしているよりは通う場所があった方がいいだろう。おそらく、手伝いをする代わりに大きな子供達も通わせてくれ、という事で主催者に了解をとってあるのだろう。一応「4歳以下」のための施設なのだが、この家族については暗黙の了解になっていて他のママたちも何も聞かない。イギリス人の懐の深さを感じる一例だ。

ただ、学校不登校の二人はともかく、長女は義務教育は終わっているし、なかなかてきぱきしているし、十分社会でも通用しそうだ。どうせ9時半にここに通うなら、どんな仕事でもいいから働いた方がいいのではないか。

そんなことをぼんやり思っていると、私の気持ちを見透かしたように、他のママが言った。

「家族全員が失業者でいた方が、ベネフィット(給付金)が多くもらえるでしょ。」

はあ。そういうポリシーか。確かにそんな家族政策も・・・・この国では少なくはなさそうだ。

投稿者 lib : December 5, 2005 09:52 AM

コメント

昨年ロンドンで娘を出産し、イギリスでの育児に興味深々の今日この頃。プレイグループについて検索していたところ、このブログに出会いました!・・・ところで、「底抜けに」明るいイギリス人のおばさん、知ってます!知ってます!!!まさにダンナの叔母がその「底抜け」に明るいビックリおばさんです。もう、想像を絶する「底抜けさ」!あ~紹介できるものなら紹介したい!

投稿者 Hiro : April 4, 2006 02:18 PM

コメントしてください




保存しますか?