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February 02, 2006

女子トイレ 日本編

career2.gif   トイレというものは、その国の文化や習慣を如実に表すものである。

女子トイレ文化のユニークさにおいて、日本はかなりの水準ではないだろうか? 10年以上もロンドンで働いていると、日本の会社の女子トイレに行くのは 「海外出張」 における 「異文化との出会い」 になってしまった。

まず、化粧ポーチがトイレに置いてある。
さっと、マイポーチに手が届く効率のよさ。化粧品を公共の場に置いても盗まれない犯罪の少なさ。イギリスではとても考えられない環境である。イギリス人でも同僚のポーチに手を出す連中はいないと思うが、外部の人も入ることのできるトイレに私物を置くのは無理だろう。

OLが、昼食後にいっせいに歯磨きをする光景も、久しぶりに見ると感激する。
ランチ後は、白い歯とさわやかな息で午後の仕事を開始するのか。
なんと、感心な心がけだ。
イギリスの女の子がランチタイムに、パブやワインバーまでクィックドリンクに出かけて、酒臭い息でオフィスに帰ってくるのとは少し違う。 (まるで他人事のように言う)

壁には、山ほど標語が張ってある。
「トイレはきれいに使いましょう」
「髪の毛をシンクに流さないでください」
「ペーパータオルはしっかり丸めてから捨てましょう」
「使用中は水を流さずに 『音姫』 のボタンを押してください」

「音姫」 といえば、イギリス人の女性が日本に出張に行き、これは何なのかと首をひねったと聞いた。下手にボタンを押してとんでもないことになり、日本語もできないのに面倒に巻き込まれると困る。でも好奇心は抑えられず、彼女はトイレ内のひと気がなくなるのを、じっと個室で待ったらしい。

いざとなったら、誰にも見られないように逃げるつもりだったと思われる。

ちなみに、彼女は三十代半ばで高学歴、高収入のキャリアウーマン、おまけに美人の人妻である。そんなイギリス人が、日本の女子トイレの個室に息をこらしてこもり、胸をドキドキさせながら、そっと 「音姫」 のボタンを押したかと思うと笑える。
運命の一瞬、 「音姫」 からはさわやかに水の音が流れ出た。 ただ、それだけ。
さぞ、拍子抜けしたに違いない。

「・・・で、何のために水の音がするの?」
おもむろに彼女は聞いた。
「音姫」 の設置目的がまったく理解できていないのだ。

これがいつもの私なら、
「トイレはご不浄といって、悪い 『気』 がこもる所だから、使用のたびに呪文をとなえて、悪魔を退散させなければいけない、そう日本では信じられている。その手間をはぶくために、川のせせらぎが録音してあるものが備えつけられていて・・・」 と、もっともらしい話でからかうのだが、彼女は重要な取引先で働く人である。 ちょっと、まずい。

というのは、彼女には他にも日本人のクライアントがいるので、私のボケ嘘がばれる可能性が大きいからだ。

「使用中の音を他人に聞かれるのがはずかしい」 という日本人女性の心理を説明したのだが、当たり前の生理現象の何がいけないのか、いまひとつ納得していないようだった。
「水がもったいないから」 という日本的な公共道徳観にも、不思議そうな顔をしていた。

日英女子トイレ文化の溝は深い。   イギリス編もそのうち紹介したい。

投稿者 lib : February 2, 2006 08:39 AM

コメント

お久しぶりです!元気でやってますか?というよりは元気そうで何よりです!
(Mailを見て判断)
話は変わりますが…トイレです。
俺も最中は(人がいるとき)流さないと気分良くしてられないんです!日本人って臭いξだけでというか何かにつけて文句を言いたがる人種じゃないですかぁ、しかも本人の居ないところで…
だからそうなるのもわかる気がするし、器が小さいんだなぁ~って用を足しながら思う訳です。
う○こ話で終わってしまいましたが、機会があればまたcommentします!
では頑張って下さい!!

投稿者 丸野です : February 2, 2006 11:21 AM

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