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March 01, 2006
お葬式
英国で数回の葬式に出席したが、日本とは違ってなんだかドライだ。
まず、老人の葬儀には涙がないといってもいい。
ダーリンのおじいちゃんがなくなった時、
葬儀場でおばちゃんに会った瞬間、涙腺のゆるい私は、ウルウルしている。
「おばあちゃん、残念だったわね。」と涙声になる私に、
おばあちゃんは、いたってしっかりとして「大丈夫よ」という。
周りをみれば、誰も泣いていない。えー。。。。なんだか、へん。
私は、ただのダーリンの嫁で外国人。なんだか、私が泣くのは変な雰囲気だ。
昨年、そのおばあちゃんも亡くなってしまった。
亡くなる1ヶ月前には、モルヒネで痛みを抑えているおばあちゃんと会っており、
「人生でこんな痛い思いをしたことがないよ!!」と淋しく訴えて姿を見ているだけに
今回は、もっと泣けてきそうだ。
しかし、同じ鉄を踏むまい。
みんなの行動をみてみると、なんだか明るい。
それは、苦しんでいる姿を見るよりは、天寿をまっとうしてよかったというような感じだ。
葬儀場に行く前におばあちゃんの家に寄ると親戚が数人集まり、
おばあちゃんの話をしていた。酒も飲んでいる。
そして、ダーリンのパパったら、自分のママの葬式なのに笑い話を始めた。
こちらでは、棺桶を親戚が運び出したりする。
パパは、昔、坂のある家から棺桶を運びだしている時に、ハラハラしたいう。
もし、ここで誰かがこけたら、バランスを失って棺桶から死人が外に飛び出ちゃうだろ?
それって困っちゃうよね?!と。
それを受けて、みんなが葬儀のハプニングを話しだす。
さあ、そろそろ行こうか、ということで葬儀場へ行く。
火葬場の中にある葬儀場は、教会に似たスタイルにはなっているが、
どの宗教が葬儀をおこなっても問題ないそうだ。
人によっては教会で葬儀をしてから、火葬場に運ぶ場合もあるが、
多くの人が、このような葬儀場でおこなうようだ。
おばあちゃんが通っていた教会の神父が葬式をしてくれた。
さすがにミサの中で、おばあちゃんの話がでるとあちらこちらからすすり泣きが聞こえてきた。
ああ、故人を思う気持ちは、何処でも同じなんだ。となんだか安心した。
その後、別会場で簡単な食事と酒が用意されているので、葬儀に参加した人たちが集まる。
こんなことで久しぶりに再会した人たちは、自分たちの会話で盛り上がる。
日本では、葬儀のあと親戚が焼き場に行くが、
英国では葬儀場の祭壇に置かれた棺桶が、ゆっくりと降りていき出席者の目から見えなくなる。
あとは、業者がやってくれ、翌日に灰になったお骨を取りにいくだけ。
だから、日本のように焼き場で行って、骨を拾うという行為はない。
まだ日本で葬式を体験していないダーリンは、この行為にはかなり抵抗があるようだ。
おばあちゃんの遺言で、灰は自分が子供のころに遊んだ海に捲くことになった。
翌朝、家族が海に集まり、パパを含む3人の兄弟が骨壺をもって海の中に入り、
おばちゃんの灰を捲いていた。
さすがに3人は、泣いていた。
しかし、これが働き盛りの人だったり、子供だったりすると、やはり重い葬式になる。
できれば明るい葬儀だけに参加したいな。
投稿者 lib : March 1, 2006 08:48 AM
コメント
いつも楽しく読ませていただいています。
ほかの方も似たようなコメントをしてらっしゃいましたが、
「鉄を踏む」→「轍を踏む」です(「鉄」では意味不明なのでは…)。
お棺が「降りていき」は「下りてゆき」です。
お気を悪くなさったら申し訳ないですが、私もちょっと気になったもので。これからも楽しみにしています!
投稿者 you : March 10, 2006 11:25 PM
訂正ありがとうございます。
ちっとも学んでいませんね。すみません。
これからもお気づきになりましたら、ドシドシコメントください。
人のふり見て、我がふり直す方もいるかと思いますので。
しかし、校正力すごいですね。お仕事しませんか?(笑)
ご興味がありましたら、ご連絡ください。
kero810kkk@yahoo.co.jp
投稿者 ダーリンの妻 : March 19, 2006 09:31 PM
鉄を踏む…
はい、同じ間違いをして、
散々迷った挙句飛んで来た次第です
勉強になりました!
投稿者 ねお : January 24, 2007 01:12 PM