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March 30, 2006
フレンチ・コネクション
会社にフランス人のチームがいる。
全員が20代のフランス人女性で、契約書類の翻訳はフランス語のできるイギリス人男性が担当しているらしい。
「自分たちだけで固まっている」とイギリス人の同僚たちが悪口を言うのも無理はないほど、フランス人チームは人づきあいが悪い。 給湯室で会っても 「アロー」 と言うだけ。
これがイギリス人の同僚だと、
「今日はいい天気だね」 とか
「もうすぐ週末だけど、何か予定はあるの?」 とか
「僕の息子が水泳教室で溺れそうになったので、コーチをなぐってやった」
みたいな、たわいのない会話をするのだが。
イギリス人なら用事がなくても、挨拶したり、名前を呼んだり、ちょっとにっこりしたりするが、フランス人チームは廊下ですれ違っても知らん顔だ。
いやー、無愛想。 悪気はないだろうから、文化の違いか。
しかし、着こなしには感心する。
電話連絡だけでクライアントと顔を合わせるミーティングはないので、スーツ姿ではなく、ややカジュアルな服装だが、センスがいい。
微妙な色の組み合わせ、粋なスカーフの巻き方、計算ずくのベルトのずらし方はさすがだ。
イギリス人が着ると 「茶色」 だが、 フランス人が着ると 「落ち葉色」
イギリス人が着ると 「にごった赤」 だが、 フランス人が着ると 「ワインレッド」
・・・に見えるのは私の偏見か?
おまけにランチがおいしそう。 手作りのスープを持ってきて、会社の電子レンジで暖めていたりする。
やっぱり、イギリス人は飲み食いと服装では逆立ちしてもフランス人には勝てないなあ。 ま、フランス人チームの愛想の悪さも何とかならないのか、とは思うけど。
彼らのボスはイギリス人とフランス人のハーフのおじさんだが、あの感情的な言動はぜったいにフランス人の血である。
フランス語で声高に話すのを聞くと、
「亭主を捨てて、僕とパリで暮らすというのは嘘だったのか?」
みたいなことを言っているように聞こえる。 (パリの部分しか聞き取れない)
で、部下の女性が、
「あなたとの情事は遊びだったのよ」 とどなり返す、ように聞こえる。
実際には、
「パリのクライアントが頼んでいた書類が届かないと文句を言っているぞ」
「あの書類なら昨日の便で出しましたよ」
といった会話なんだろうけど。
会社の飲み会でパブに行った。 焼き鳥屋のように煙がもうもうと立ち込める一角があったので、何かと思うと全員がスパスパと煙草を吸っているフランス人チームだった。
「和の精神」 をモットーとする日本人の私としては、しばらく彼らの輪に入った。
「日本人の若い女性が、パリでブランド物を買いあさってるけど、どうしてあんなお金があるの?」
私のほうが聞きたいよ。
「ブランド品、欲しいと思う?」 と私。
「欲しいけど、ブランドの名前が前面に出てるデザインはダサイから、いやだ」
なるほどね。
「イギリスで洋服を買うことある?」 と聞いたら、全員が爆笑した。
ロンドンとパリ間は近いので、頻繁に帰国して買い物しているらしい。
「イギリスの服は変な色、変なデザイン、おまけに高い」 と文句を言っている。
婉曲な言い回しはせず、すべてにおいてダイレクトな発言。 このあたりがイギリス人と違う。
彼女たちからパリでの夏のバーゲン情報を聞いておいた。
が、フランス語ができない私は、不親切と意地悪で有名なパリの店員と互角に勝負できる自信がない。 感じの悪い店員の態度に頭にきても、言葉は通じず、思わず頭突きをくらわしたりすると、警察沙汰になるだろうし。
どうしようかと現在、悩んでいるところだ。
投稿者 lib : March 30, 2006 08:17 AM