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May 15, 2006
3歳児の見たニッポン
前回の帰国は、息子にとっては4回目の訪日だった。
3歳半ですでに4回目だ。
彼も慣れたもので、飛行機に搭乗するとすぐにヘッドフォンの袋を破り、耳に掛けると、「チキンリトル」の鑑賞に熱中した。
過去3回のフライトでの悲惨な体験を思うと、目覚しい向上ぶりだ。
0歳時-初めての乳幼児連れのフライトで、親の方が極度に緊張した。、コットの安全性を確かめたり、万一の緊急事態に備えての避難方法のイメトレに忙しく、まんじりともせず12時間を過ごした。
1歳時-延々と機内を歩き続ける息子に付き合い、乗客の大半と顔見知りになった。お陰でエコノミーシンドロームの心配だけは無かった。
2歳時-離陸直後に私の膝の上で嘔吐された。夫のシャツと、ビジネスクラス客用のスゥエットパンツを借り、非常に怪しげな格好で12時間乗り切った。日本の入国審査で止められなかったのは幸運だった。
息子の訪日の目的はただ一つ、東京ディズニーランドに行く事だった。
飛行機を降りたらそこはディズニーランドだと思っていた彼は、そうではない事を知りショックを受けた。
私の実家に着いてもすぐに行けるものではない。
そのうち、ホームシックが始まった。
「ロンドンおうち、行く」 (=ロンドンのおうちに帰りたい)
「まだディズニーランドに行ってないじゃない!もう少し日本にいようよ!」
となだめていると、そのうち
「あいうえお、ノー。ABC、イエス。」 (=日本語は嫌だ。英語がいい。)
と言い始めた。英語だってそんなに上手なわけではないのだが。
彼なりに言語の違いも含めた環境の変化にストレスを感じているようだった。
TVコマーシャルなどで外国人が英語を話していたりすると、「あ、ABC」と鋭く聞き分けもした。
そんなある日、ついにディズニーランドに行く日がやってきた。
トムソーヤ島で遊んでいると、急に
「チャイナタウン、ヌードル。」 (=チャイナタウンでヌードル食べたい)
と言い始めた。
なんで急にそんな事を言うのかと不思議に思ったが、近くに中国人らしき女性が二人いて、広東語で話をしていたのが聞こえた。
広東語が聞こえる → 近くにチャイナタウンがある筈と推理 → ヌードル食べたい、との三段論法らしい。君はシャーロック・ホームズか。
日本にいれば、がらっと日本語に切り替わって話をするようになるかと思ったが、そんなことはなく彼は相変わらず英語と日本語まじりで話していた。ただ、
「ジュースのみたい」
「これほしい」
「チョコたべたい」
など、なぜかwant系の日本語はうまくなった。これじゃ、分からないふりできないじゃないか。
逆に、滞在中、一緒に遊んでいた従兄弟(5歳)は英語に親しんだようだ。
息子がお菓子をねだる時に、
「ジャストワン、ジャストワン」(一個だけ)
と言い、私が
「(一個だけなら)まあ、いいか。」
と答えるのがお約束になっていたらしい。
それを聞いていた従兄弟達も、
「ジャストワン、マアイイカ」
とお菓子をねだるようになったとのことだった。
「マアイイカ」まで英語だと思っているところがちょっと問題ではあるが。
息子はロンドンに戻ってからは、
「ジャパンいく、ジャパンいく」
と日本を恋しがっている。
こうなることは分かっていたよ。
投稿者 lib : May 15, 2006 10:18 AM