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October 31, 2006
アフタースクール 2
次の日、ナーサリーから戻った息子と家で遊んでいると、5時頃玄関のチャイムが鳴った。
エイミーに連れられたハリーだった。
またうちで遊びたいと言うので、どうぞどうぞと招き入れた。
母親はまだ帰っていないという。
息子も大喜びで二人でしばらく遊んだ後、ハリーの家で遊ぶというので、隣に連れて行った。
隣家で遊んでくれれば私は楽だが、ふと心配になった。
以前、フィオナが「いつでもベビーシッターしてあげるわよ」と言ってくれたことはあるが、「お茶飲んでいきなはれ」と言われてお茶を飲みに上がったら「あの人アホや」と言われる京都人気質も入っていそうなイギリス人ミドルクラス。
言葉をそのまま受け取っていいものか。
イギリスでは子供にもきちんきちんとスケジュールを立てて生活させている家庭が多いし、息子と遊ぶことで生活スケジュールが狂う事もあるだろう。
前日、エイミーが迎えに来たのが6時前だったので、ハリーの食事の時間が6時頃なのかもしれない。
6時がリミットかな、と思い、6時5分前に隣に行き、まだ遊びたい二人を無理やり引き離し、家に連れて帰った。
翌日もハリーはチャイムを鳴らした。
隣家で遊ぶ場合は、私は「6時リミット」を死守し、迷惑をかけないように迎えに行った。
金曜日。
7時頃になっても、ハリーはまだウチで遊んでいた。
あれ、ご飯の時間6時じゃなかったのかな・・・と思っていると、仕事から戻った夫が、二人をプールに連れて行ってあげると言い出した。
狂喜乱舞する二人。
隣に許可を取りにいくと、フィオナも戻っていて、よろしくお願いしますとの事。
プールで二人は思い切り遊んできて大満足だったが、戻ったのが9時頃になってしまったので、遅くなりすぎでは・・・とまたもや少し心配になった。
翌土曜日。
また5時頃、ドアのチャイムが鳴った。
こんな時間に誰だろう・・・と窓から外を見ると、ハリーがドアの前に立っている。
ウィークエンドはちょっと都合が悪いなあ・・・と思い、夫にそう言ってもらうように頼むと、子供好きの夫は
「僕には言えない。君から言って。」
と懇願するので、仕方なく私がドアを開けた。
すると、ピンクのバラの花束を抱えたハリーが
“For you”
と言って、それを私に差し出すではないか。
予想外の展開に驚き、「私に?」と聞くと、
「色々とありがとう。プールにまで連れて行ってくれて感謝してるわ。」
と門の外に立ったフィオナが言った。
遊びの誘いを断る口実を探していた自分が恥ずかしくなった。
日曜日は秋晴れのいい天気だった。
息子がまたハリーの家に遊びに行きたがるので、夫が
「いい天気だし、隣に預けて僕達はテニスしに行こう」
と言う。隣に聞きに行くと、
フィオナは
「No Problem! 都合の悪い時はそう言うから、心配しないでね。お互いにそうしましょう。」
と言ってくれた。
彼女は思っていたよりも、ずっとシンプルな性格なのかもしれない。
どうも難しく考えすぎていたのかも。
それにしても、私が小学生の頃は、学校が終わった後ランドセルを置いて、近所の子と遊びに出かけたものだったが、ロンドンで子供達が誘い合わせて遊んでいるのなど見たことがない。
ロンドン子は学校が終われば家にいるしかないのかなあ、可哀相だなあ、と思っていたが、まさか外国人である自分の息子に、放課後の遊び友達ができるとは思っていなかった。
それも隣なので、何につけてもとても便利で安心。
(いざという時にはベビーシッターも頼める。有り難や~。)
でも徒歩30秒の隣にも、必ず大人同伴で連れて行くところがロンドンらしいといえばロンドンらしいが。
投稿者 lib : October 31, 2006 11:50 AM