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November 07, 2006
ケイト・モス
ケイト・モスがイギリスの「モデル・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。
コカインを吸入している写真を撮られた一年前よりも広告契約している企業は14社と増え、推定年収も倍以上(数十億円?)になったそうだ。
私が言うまでもなく、モデルとしてのケイトは逸材だ。
瀕死の老いさらばえたブランドが、ケイトを広告に使い、クールで旬なブランドに生まれ変わった例は数多い。
バージン・モバイルのCMの動くケイトはそれほど良くないな、と思ったが、やはり彼女が一番映えるのは写真、それもモノクロ写真だろう。
あの半開きの口で、上から見上げているような表情が、とてつもなくドラマティックな世界を創り出す。
その切り取られた一瞬のために、企業が彼女に何億円も払うのも分かる。
現にある企業は、彼女を広告に使ってから毎年20パーセントの売り上げ増だそうだ。
へたな広告代理店に高いお金を払って、CIやら何やらで散々いじくりまわされた挙句、何の効果も得られないよりはケイトを使った方がよっぽど手っ取り早くて安全だろう。元広告代理店勤務の私が言うのだから間違いない。(って関係者の皆様ごめんなさい)
代役のいないモデル、ケイトを復活させたいのは、よーく理解できる。
しかし。
いいんだろうか?これで。
コカイン騒動は、わずか一年前である。
一年間のみそぎを終えて、「さ~、反省もしたことだし、これで無かった事にしましょう♪」で、いいのか?
本当に、若者にドラッグを使用して欲しくないのなら、せめてもう少し、数年間は表舞台から遠ざけるべきでは?
道徳や正義は、やはり経済の前には消えうせるのか。
薬物使用したモデルは使わない、という頑なな態度を貫いた方が、長い目で見ればその企業イメージは良くなるんじゃないかな・・・と思うのは私だけだろうか。
広告主は英国企業だけではないけれど。
イギリスというのはヘンテコリンなところも沢山あるけれど、Justiceという事に関しては、理想主義じゃないかと思えるほど信頼できる国という印象があっただけに、なんだか残念な「なあなあ主義」の顛末だ。
好きなんだけどね、ケイト・モス。
投稿者 lib : November 7, 2006 11:55 AM