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January 30, 2007
「ビッグ・ブラザー」をインド人ファミリーと鑑賞
国内外に論争を巻き起こしたセレブリティ・ビッグ・ブラザーの優勝者が決定した。
ベスト2に残ったのは、インド人女優シルパと黒人のジャメイン・ジャクソンということで、どっちに転んでもポリティカリー・コレクトな結果ではあったが、大方の予想通り、優勝したのはイジメの被害者、シルパだった。
彼女が優勝したことで、ほっと胸をなでおろした人が沢山いるだろうが、結果によっては人種差別国家という烙印が押されてしまいかねない、イギリスの沽券に関わる一大事だった。
ブレア首相やブラウン財務大臣はもちろん、クイーンまでもが執務室の柱の陰で、こそこそとシルパに投票していたに違いない。
なんだかんだ言っても、イギリス人は自国に非常に誇りをもっている国民だ。
トニーとゴードンが「差別なんてない公正な国、オーブリタニア♪」と手に手を取り合い喜んだかは知らないが、クイーンはじめ(決め付けているが)イギリス国民が一丸となってシルパに投票したおかげで、大英帝国の面目はひとまず保たれた。
イギリスもハッピー、インドもハッピー、チャンネル4もハッピーで、英国らしからぬハッピーエンディングは、「ボリウッド女優主演、イギリス人監督がメガホンを握るハリウッド映画」を観ているようだった。まあいいんですけど。
話は変わるが、このファイナルの二日前、インド人の友人宅のパーティーに招かれた。
私たちの他には、インド人ファミリーが2組来ていた。
彼らの番組に対する意見を聞くチャンス、と思い出かけたが、タイムリーな事に、気がつくと居間のTVがビッグ・ブラザーの画面を映し出していた。(後から知ったところによると、ホステスである私の友人が欠かさず観ていたらしい。)
いきなり人種差別の話もナンなので、
「ねえねえ、シルパってインドではすごく有名なの?」
と差しさわりのない質問を振ってみた。
A氏 「うーん、10年前は有名だったけど、今は落ち目かな。でも僕、この番組、観た事ないんだ。ここに出ている人達って、家の中にカメラがあること分かってるの?」
あまり参考にならない。次にB婦人に話を振ってみる。
「やっぱりシルパを応援してる?」
B婦人 「そうせざるを得ないわね。でもこの番組で一ついいことがあったのよ。私の名前もシルパっていうんだけど、今までは名前を聞かれるたびに何度も聞きなおされたけど、今じゃ英国中に私の名前が知れ渡ったわ。」
ふむ。
最後にホステスである友人に聞く。
「ジェイドが出て行った時には嬉しかったでしょう?」
友人「そうよー。でも私、クレオにも出て行って欲しいのよね。」
私 「どうして?クレオはシルパに親切じゃなかった?」
友人「彼女は二面性があるわよ。シルパに親切にしていたのは本心じゃないわ。それからジャック、あの男が未だになぜ残っているのか分からないのよね、何にもしゃべらないじゃない。ジャメインは温和でいいわね、ナイスガイだわ。あとダニエル、あの子は顔は可愛いけど性格が終わってるわね・・・・(以下30分続いたが略)」
彼女は出演者一人一人について評価を下していたが、その中には人種差別騒動になる前に退去した出演者も含まれていた。
彼女がこんなに熱心なビッグ・ブラザーウォッチャーだとは知らなかったが、まあ印象としては、インド人の人たちも、特別シルパのファンと言うわけではないけど彼女を応援している、という感じだった。
まあ私だって、ビッグ・ブラザーハウスの中に日本人が一人だけいて、文化やアクセントで虐められていたとしたら、その人のことを特別好きじゃなくても応援したくなるものな。
しかし存続の危機が噂されたビッグ・ブラザーも、番組の最後に一般人編のオーディションの告知をしていたところを見ると、まだ続くらしい。
実を言うとこの騒ぎの前は番組を観たことがなかったが、これを機に、はまってしまいそうな予感の低俗日本人な私である。
投稿者 lib : January 30, 2007 11:21 AM