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February 04, 2007
危機管理
近所の日本人宅に空き巣が入った。
一時帰国して戻ってみたらパソコンやDVD、それに車まで取られていたそうだ。
楽しい思い出いっぱいで帰ってきたところにその仕打ち。何とも酷い話だ。
先だっての我が家の車上荒らしの件もあって、私も一時帰国から戻る時には、何事も起こっていませんようにと少しばかり祈った。
幸い、何事も起こってはいなかった。防犯対策として、月並みだが向かいに住む知人に留守中気をつけて見てもらっていたことと、室内の電気を自動で点灯・消灯させるタイマーを付けていった。
海外にいると、日本では滅多に遭遇しないようなことに時々出くわす。
例えば小切手帳。
日本では個人レベルで小切手を使うことはまず無いが、こちらでは、ナーサリーの授業料なども小切手で支払うなど、活用頻度が高い。
そして小切手の残り枚数が少なくなってくると、自動的に銀行から新しい小切手帳が送られてくるのだが、それはある日、手紙なんかと一緒に普通郵便で届くのだ。
銀行の封筒で、横長の手帳状のもの。中身は小切手であるとバレバレである。何と無防備な、と思っていたら知人の小切手帳が手元に届かず盗まれて、どこぞの誰かの出たら目なサインでごっそり使われてしまった。
今回は不正に使用されたと証明できた為、全額返金されたらしいのだが、聞けばこれはそう珍しいことでもないようだ。小切手の不正使用分を弁償するくらいなら、最初から小切手帳を書留か何かで郵送すればいいのにと思わずに入られない。
出たら目なサインで使い込まれてしまったかと思えば、友人はパブでの支払い時にクレジットカードを使ったのだが、後日「このサインはどうも怪しい。不正使用の疑いあり!」と、クレジットを止められてしまった。
確かに多少酔ってはいたが、それは間違いなく彼自身のサインだ。なかなか事情を理解してくれない電話口の係員に、彼はかなり苦労していた。酔っ払ってもサインはきちんと!という教訓を得た。
最近使用方法が厳しくなったオイスターカードも要注意だ。
電車に乗る際、オイスターカードをタッチし、「ピッ」と音がしてゲートもちゃんと開いたにも拘らず降りた駅で不正時の罰金£4が取られていることがある。
特にうちの近所のセントラルライン某駅で多発しているとの情報あり。どうもカードの読み取りが甘いらしい。日本のように機械だから間違いないだろうという概念は通用しない。
こちらも状況を説明すればあっさり返金してくれるらしいのだが、£4取られていることに気づいていない人もきっといるだろう。
「あなたは先日不正使用し、£4徴収されましたね。次回から気をつけてください」という内容の手紙が届いた人もいて、そこで気づく場合もある。
が、これも届いたり届かなかったりで当てにならない。こちらも手紙なんか出す暇あったら大元の改札をどうにかしろと思うのだが、「原因究明」という概念がやや不足気味らしい。
思えば、日本では、電車の乗り降りや道を歩く時や、あるいは職場での言葉遣い(渡英間もない頃、日本人スタッフと話した直後に、英国人スタッフにうっかり日本語で話しかけてしまい、「差別だ!」と大事になった経験があるのだ…)にこんなに気をつけたことはない。
日本ではすっかり退化してしまっていた危機回避本能がここロンドンではあちこちでフル活動である。
そんなことを妻と話していたら、「全くそのとおり!」同感のようだ。
「スーパーで割れてる卵を平気で売ってるから、いちいち卵パックを開けて確かめなきゃいけないし、この間牛乳買って帰ったらなんと内蓋が開いてたのよ!交換してもらったけどね。それから4個入りの電球買って帰って付け替えようと中を見たら、誰かに1つ取られてて、代わりに古い、切れた電球が入ってたのよ!何でも確かめなきゃダメね~」
主婦は主婦なりのトラブル回避能力を磨いているようである。
投稿者 lib : February 4, 2007 04:27 PM