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April 03, 2007
チャイニーズ・バンケット
夫の親戚の結婚披露宴に招かれた。
新郎新婦はイギリスで生まれ育ったBritish Born Chinese(略してBBCというのだそう)である。
親戚といっても遠縁で、私は新郎新婦に会った事もない。
特に気合を入れる必要もなく、手持ちのスーツを着ていけばいいかなと思っていたが、前日に着て見ると、肩幅が微妙に大きくてOut of date の印象だった。別に私を見る人なんかいないだろうから何でもいいのだが、まあせっかくだし(何がせっかくなんだか)服を新調しようかなという気になった。
という訳で、日本人も多く見かけるブレントクロス・ショッピング・センター、略してブレクロに駆け込んだ。
いくつかの店を回った後、ウィリアム王子のお妃候補ケイト・ミドルトンさんのお気に入りと言われているブランドのひとつ(Hello! Magazine参照) LK Bennettに入ると、シルクのプリント柄のラップ・ドレスが目に入った。
試着してみるとサイズもぴったり、なかなか良い。
おまけに30パーセントオフ、更に「今日はここから更に10%オフになっております」という店員の甘い声も後押しし、即購入。
久しぶりに綺麗めの服を買ったぞ、とルンルン(死語)しながら家で手持ちのパーティー用の靴と合わせると、どうも面白くない。
「そういえば、チャールズ皇太子とカミラさんの結婚式の時、ザラ・フィリップス(アン王女の娘 = クイーンの孫娘)がプリント柄のワンピースとロングブーツを合わせていたな・・・結婚式にブーツもありか。」
と思い(必要な事は忘れるのに、こんなどうでも良いことは妙に記憶力の良い私)やはり手持ちのロングブーツを合わせてみると、ちと今風になった。
何となく王室関連の人々の助けを借りて服装が決定した様な気分になり、一瞬ロイヤル・ウエディングにでも出かけるような錯覚に陥ったが、行き先はチャイナタウンのチャイニーズ・レストラン。
チャイニーズ・ウエディングには今までに何回も出席したので私も慣れたものである。
1・まず会場に着くと、受付の人に、赤いポチ袋に入れたご祝儀(相場は日本よりずっと安い)を渡す。
2・空いている席を見つけ、適当に着席する。(日本やイギリス式のように、招待客の席が決まっていない)
2.乾杯の音頭などはなく、いつの間にか各テーブルに置かれたワインやソフトドリンクが空けられ、各自勝手に飲み始める。
3.料理が運ばれ始める。内容は(注:ここから先は、お腹が空いている方は読まないほうがいいかもしれません)
① サックリング・ピッグ(子豚の皮をカリカリに焼いたもの)
② ホタテとアスパラガスの炒め物
③ フカヒレのスープ
④ ロブスター
⑤ アワビと椎茸のオイスターソース煮
⑥ 小鳩のロースト
⑦ 蒸したシーバス
⑧ ヌードル
⑨ 蓮の葉に包まれて蒸されたまぜご飯(中華風ちまき?)
⑩ デザート(この日はゴマのまぶされた揚げ団子、ロータスケーキ、フルーツ)
今回も、チャイニーズ・ウエディングの典型的なメニューだった。
新婦は最初は白のウエディングドレス、途中で赤のチャイニーズドレスにお色直しした。
スピーチや余興はなし。ひたすら食べる。
新郎新婦も、基本的には隅のテーブルで客の一人のような顔をして、食べている。
途中、家族と共に乾杯をしに各テーブルを周るが、うっかりその時にトイレに立ったりしていると、見通しの悪いレストランの場合は最後まで誰が主役なのか分からないこともある(実話)。
若いチャイニーズ・カップルはこの様な伝統的な披露宴を嫌い、教会→ホテルで披露宴、の英国式ウエディングを別に開いて友人はこちらに呼び、中国式披露宴は親のために義理で行う人も多いようだ。
とりあえず、今回の料理は今まで出席したチャイニーズ・ウエディングの中で一番美味しかった。
(会場となったレストランのオーナーが新郎の親戚なので、格段の注意が払われたらしい。さすが家族主義のチャイニーズ)
気がつくと3時間、午餐を貪り続け、もちろん夕食はいらない。
息子も従兄弟たちのニンテンドーDSに興じ大人しくしていたので、幸せな午後を過ごした。
美味しかったー。また誰か結婚しないかな。
投稿者 lib : April 3, 2007 10:50 AM