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April 17, 2007

ロンドン版 タイムカプセル

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我が家の居間の、コーヒーテーブルの下に四角いバスケットが置いてある。

毎日、読み終わった新聞や雑誌をその中に入れている。
(イギリスの新聞は特に週末はいろんな付録が入っていて分厚い。その上、夫が週一回買うチャイニーズの新聞、息子が生まれる前は日系新聞社に勤めていたのでその頃は私が毎日持ち帰る日本の新聞、最近は街頭で配るフリーペーパーなども加わり、ウチは異様に古新聞の多い家庭となっている)

週に一度のリサイクルの日に、一週間分まとめて捨てるシステムになっているが、たまに「これっていつか役にたつかも」と思い、そのままバスケットの中に残るものがある。
大抵は新聞の付録についてきた、「ベスト・ホスピタルガイド」とか夫の愛読書「フォーチュン誌による、世界の富豪ランキング」とか日本語のフリーペーパーの類である。
子供が生まれてからは何かのおまけについてきたシールとか、とりあえず「紙製」で「どこにしまってよいか分からないもの」はとりあえず、このバスケット行きとなっている。

先日ふと気がつくと、一週間分の新聞を捨てたにもかかわらず、バスケットの中身が一杯になっていた。
「こんなにたまっちゃった・・・・整理しなくては」
と一念発起し、古紙の山を上からどんどん崩していった。

前述の「ホスピタルガイド」や「富豪ランキング」はもちろん、なぜこんなものを?と保存しておいた意味が全く分からない古新聞や古雑誌をどんどん捨てていくと、バスケットの底にいきついた。

そこでひっそりと眠っていたのは。

「LONDONZOK」(ロンドン族)という日本語の雑誌だった。
「おおっ。そういえば昔、こんな雑誌があったな!」
(ロンドン在住5年以上の人ならピンとくるはず)
懐かしさで手にとると、なんと発行日は2002年4月となっている。
息子が生まれるちょっと前だ。・・・て、約5年前だよ。

最近見ないので、いつの間にか廃刊になったらしい。
中をみると「ロンドンの行方」というロンドンの近未来についての特集記事があった。

「ロンドン地下鉄の未来、『スマートカード』システム。チケットに変わるものとして、黄色い円盤の上にかざすだけでゲートを通ることができるようになります。」(オイスターカードという名称はまだ決まっていなかったらしい)

「トラファルガー広場の北側の道を閉鎖して、その一体を歩行者天国にしようという計画がある。これが実施されると、広場でコンサートが行われるなど、人の動きが変わってくるだろう」

など、たかが5年で「予測」や「計画」が「当たり前」の事になっている。
ちょっとした、タイムカプセルのようだった。
それにしても息子の生まれた2002年の雑誌が出てくるなんて・・・・出産してから子育てで忙しく、バスケットの整理もする時間もなかったのねー・・・と自分のだらしなさを棚に上げ、一人で和んでいると、夫からもっと小まめに整理しろと一蹴された。

それにしても改めてLONDONZOKを読んでみると、アート系の傾向なのだろうが全編自社取材、記事も個性的で面白く、なかなか優良な雑誌だったことが分かった。廃刊が惜しまれます、ってタイミングを大きく外しているが。

それにしてもこのLONDONZOK、捨てられなくて再びバスケットの底にひっそりと保存することになってしまいそうだ。

「大掃除 捨てる技術という本を 捨てられなくて困ってる」

という一句をサラリーマン川柳に応募したい気分の今日この頃である。


投稿者 lib : April 17, 2007 01:27 PM

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