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April 18, 2007

イースターホリデー ~我が家の場合~

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イースターホリデーを過ぎた途端に、ロンドンはもうすっかり夏の陽気である。
赴任前、「イギリスの冬は暗く、長く、うつ病人が続出」などと聞かされ
その話のせいでうつ病になりそうであったが、予想以上に冬は短く
春は早くやってきた。聞けば「今年の冬は全然ロンドンらしくなかった」そうだが
赴任1年目はこれくらいで勘弁して欲しい。

さて、間もなく日本中がそわそわし始めるゴールデンウィークのような大型連休も無ければ、
お盆休みも無く、祝日が少ない英国での貴重なイースター4連休、これを逃してなるものか!
との(妻の)気合により、我が家はスイスに飛んだ。

そそり立つ山々を行く登山鉄道、美しい湖にカウベルの音・・・
ポストイットに縁取られたガイドブックを片手に
妻は出発前からハイテンションである。釣られて息子もハイテンション。
私はというと、遠い昔に一度行ったことがあるのだが、たいして記憶に残っておらず、
まあ、その程度のもんなんだろう、というテンションの低さ。

チューリッヒ到着後、妻の指示するままに列車に乗り、山麓の村に到着。

とにかく山が近い。そして恐ろしく高い。「山」というより「巨大な岩」という感じで
勾配があまりに急で雪も積もっていない。
この山々で、これまでに何人ものアルピニストが命を落としてきたのだな・・・と
神妙な気持ちになっていたら、妻が横で、明日は登山鉄道に乗って
一気に3000M以上上ってしまおうと言う。

3000M?!ちょっと待て。

以前のメキシコ出張での悪夢がよみがえる。
メキシコシティ滞在中ずっと正体不明の偏頭痛に悩まされたのだ。
あれはいわゆる高山病だったと睨んでいる。
(妻は「高山病は3000M以上じゃない?」と信じないのだが)
あんな思いはもう二度とごめんだ。

結局、翌日は登山鉄道の終着駅、3000Mを超えるユングフラウヨッホには行かずに済んだ。
家族が私の体を案じて・・・くれた訳ではなく、
途中の乗換駅がゲレンデのど真ん中にあったせいで
家族一同、そのゲレンデに吸い寄せられてしまったのだ。

気づけば、3人でレンタルスキーウェアに身を包んでいた。

今回の旅の目玉とも言うべき(恐怖の)ユングフラウは拝めなかったが
雪の斜面を、満面の笑みでソリで滑り(息子はかなりのスピード狂)
黙々とソリを引いて上がってきてはまた滑りを繰り返す息子を見ながら
「こやつ、前世では犬ぞりを引いていたに違いない・・・」と
新たな一面を発見しつつ、家族で大自然を満喫し、良い汗かいたイースターホリデーであった。

旅の最終日、妻がどうしてもカウベルが欲しいと言い出し、一つ購入した。
息子が早速、家の玄関のドアノブに取り付けた。

ドアを開け閉めする度に♪カラ~ンコロ~ン♪と長閑な音を奏で、その度に妻と息子は
「わ~、スイスの山を思い出すねぇ」
「ほんとね~ また行きたいね~」
「次はボクもソリじゃなくてスキーしたーい!」と、大盛り上がりである。

しかし・・・
ユングフラウで私の(自称)高山病は一体どんなことになってしまうのか、
そしてスピード狂の息子がスキーを履いたら、一体どこまで行ってしまうのか・・・
一人、顔の引きつる私であった。

投稿者 lib : April 18, 2007 05:35 AM

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