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May 01, 2007
帰ってきたスピーチセラピー 2
もし息子が日本で育っていて、言葉の発達が同じ様な状況だったらどうだっただろう、とたまに考える。
日本の育児サイトなどにも子供の発育の遅れについての色々な相談が寄せられているが、質問の内容が「まだ歩きません」だろうが、「まだオムツがとれません」だろうが「言葉が出てきません」だろうが、結局は「個人差があるので大丈夫です」と専門家が回答するパターンが多い気がする。
私もその通りだと思うし、日本にいたら親はもちろん、幼稚園も医療関係者も、息子の言葉の遅れは注目する程度のものではなかったのではなかろうかと思う。
思い返してみると、息子がまだ赤ちゃんだった頃から、ベイビー・クリニックやプレイ・グループに行くと「How to Help your child’s speech development」といった類の小冊子がラックに並べられていた。
「子供が間違えた言葉遣いをしたら、正しく言いなおしてあげましょう」とか、
「絵本や童謡は、言葉の発達に効果的です」
とか、子供の言葉の発達に役立つヒントが並べられていて、その頃はふむふむ、と素直に読んでいたが、考えてみるとイギリスでは日本より、幼児の言葉の発達に関して非常に意識的に取り組んでいるらしい。
日本には「沈黙は金」とか「不言実行」とか、黙っていることも良しとする価値観があるが、こちらは喋ってなんぼの社会である。そういった文化の違いもあるのだろうか。
(とここまで書いたところで、ふと「沈黙は金」を広辞苑で調べてみると「西洋の諺から」と書いてあり椅子から転げ落ちそうになった。私の仮説はもろくも崩れ去った)
確かにイギリスは幼児教育についての研究が日本よりも進んでいると思う。しかし、研究も進みすぎると、従来はとるに足らなかったことも、問題にしてしまったりする弊害もあると思う。
親バカとは思いつつ、自分の子供がスピーチセラピーなどの特別なサービスにお世話になる事態になると、ついこのように考えて、子供を正当化(別に誰も悪いとは言っていないが)したくなってしまう。夫に
「きっとスピーチ・セラピストの数が増えすぎて、仕事がないのよ。彼らを失業させないために片っ端から子供をスピーチセラピーに送り込んでるんじゃない?」
「ありうるな・・・。」
とスピーチセラピスト大量失業救済説まででっちあげ、憂さ晴らしをした。
スピーチセラピストもいい迷惑である。
とりあえず親としては別に心配していなかったのに、息子の言葉の発達について問題を大きくしてしまったイギリス社会に妙にに反逆的になる私であった。(単にスピーチセラピーに行くのが面倒でやけになっているという噂もある)
つづくよ! ←(反逆を表現)
投稿者 lib : May 1, 2007 12:32 PM
コメント
いや、私は日本の方がもっと騒がれるような気もします。横並びな社会ですから。
実際に、日本の1歳時半検診で、4~5個以上意味のある言葉をしゃべれない子供(絵を示してそれを言葉で言えるか等を調べるらしい)は、別室に連れて行かれて、再検査らしいですから。
そのしゃべれない子供にスピーチセラピーと言うような合理的な(?)解決法を提示するというようなことは日本ではないでしょうけどねぇ~。「あなたの子供は発達が遅れている』ということだけ示してフォローなし、って感じじゃないでしょうか。
でも正直に言いますと、私は子育てママさん、ずいぶん鷹揚に構えているなぁって感心してました。私なら、すっごく心配していたと思いますもの。
続きを楽しみにしています。
投稿者 pochi : May 1, 2007 09:13 PM