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June 26, 2007
Trance ロンドン公演
鴻上尚史さんの舞台、「トランス」を観て来た。
実は以前、鴻上さんがパーソナリティーを務めているラジオ番組のスタッフの方から、番組内でこのブログを紹介したいというメールを頂いた事があった。結局その話は潰れてしまったが、それ以来一方的に、なんとなく鴻上さんに親近感を持っていたので今回ロンドン公演するという話を聞き、駆けつけた。
開演時刻ぎりぎりにシアターに着くと、小さな劇場は殆ど埋まっており、最上列の席だけが空いていた。ちなみにお客は殆どイギリス人。階段を上り、空いている席に座ろうとすると、角の暗闇からこちらを見ている日本人の顔が突如としてにゅっと浮かび上がり、ぎょっとした。
ほぼ同時に、それが鴻上さんご本人だと分かり、二度ぎょっとした。
なんとなくただならぬ雰囲気を漂わせていた鴻上さん、一度目の「ぎょっ」の時には
「うっ。危ない人(アルコール入り)がいる」
と咄嗟に感じたのだが、二度目の「ぎょっ」で鴻上さんだと分かってから、
「きっと開演前で気持ちが張り詰めているのね」
と、好意的に解釈することにした。
鴻上さんも一人で座っていらしたので、
「話しかけてみようかな~。でも緊迫感漂ってるような気もするしな~。機嫌が悪かったら灰皿投げられるかもしれないし(それは別の人か)・・・・」
などと思いつつ、ふと足元を見ると、ラジオで話していた通り、MBTのシューズを履いている。(MBTはこういう靴です)
「おっ。履いてる履いてる・・・・」
などと考えているうちに、スタッフらしき女性が来て、彼と私の間に座ったが、その女性との会話を聞くと、TVなどで見る通りの「人の良―い」鴻上さんだったので、がくっと来た。
舞台は3人だけの俳優さんによって進められ、約2時間の間、長台詞の応酬が続いた。
全くとちらないでこれだけの台詞を記憶して言えるだけでも、アクター・アクトレスってすごいー。
オカマアーティストのSANZO役の人がなぜか出ていなくて、代役の役者さんが台本を持ちながら健闘していたが、舞台の進行に影響を与えず、これにも感心。
(ちなみにこの人は、オカマの格好をしている時は「ちょっと勘弁・・・」といいたくなるような容姿に見えたが、医者の白衣を着た途端、素敵なナイスガイに変身し、こちらから擦り寄りたくなった。これが「白衣効果」というものか。「ゲレンデ効果」と同じくあなどれない)
ストーリーは古今東西、共通するテーマで、「トランス」はもともと日本で演じられた作品だというが、イギリスでイギリス人が演じても何の違和感もなし。面白かった。
舞台が終わってから、鴻上さんに「とても面白かったです」と声をかけてみた。
鴻上さんは腰の低い感じで「あ、ありがとうございます。○%#×@×・・・」(後半は聞き取り不可だった)と答えてくれた。
鴻上さんの後ろから退場しようとすると、客席の階段を下りながら、ちょっとコケそうになっていた。
やはり酔っ払っていたのか、MBTシューズのせいなのかは、分からない。
The Bush Theatre で 30日まで公演するそうです。
投稿者 lib : June 26, 2007 11:34 PM