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July 12, 2007
ウィンブルドン
ウィンブルドンのテニストーナメントが終わった。
チャンピオンになったのは女性では 「おなじみ」ウィリアムスで男性はヘデラーだ。一度くらいは試合を見に行こうと思っているのだが、予約するのが面倒だし、炎天下、あるいは雨の中を何時間も観戦すると思うと腰が引ける。
がんばる人を見るのは好きだが、自分ががんばるのは嫌いだ。
うちの会社の接待のお供でアスコットやニューマーケットの競馬に出かけたことはあるが、テニスでの接待は聞いたことがない。それぞれの会社で 「好み」があるらしく、友人の会社はクリケットのスポンサーになっていて、試合にクライアントを招待するらしい。昔の貴族なら有り余る時間をつぶすのに絶好の機会だったかもしれないが、あんな長い試合に喜んで行く人がどのくらいいるのだろう? 疑問。
ま、ヘンリーレガッタのボートレースにしろ、アスコット競馬にしろ、ウィンブルドンのテニストーナメントにしろ、接待は飲み食いのほうが中心 (特に 「飲み」のほう)だから、試合は二の次かもね。
アスコットに行って、どの馬とジョッキーが勝ったというより、誰それが酔っ払って、みんなに引きずられて帰宅した、みたいな話しか聞かないし。
「で、勝ったのは誰?」
「ええっと、誰だっけ? 試合はあまり見てないんだ、正直なところ・・・。そうだ、アランが酔っ払ってミーナの帽子を払い落としたって、聞いた?」
酒を飲むばかりで 「観戦」なんかしていないのだ。
これでは選手も真面目に試合に臨むのがバカみたいだな。
試合の裏方として選手とトーナメントをサポートする人もいることを聞いた。
「ボールガール」というのは、試合中の「玉拾い」の役だ。男の子もいる。
ネット際にかがんだ姿勢で待機しているのと、壁を背に足を肩の幅に開いて立っている若い子たちだ。
歌舞伎の黒子のように 「見えているのに存在に気がつかない」連中である。
これを「ボールガーリング」という。・・・なんか、バカみたいな英語だな。INGをつけただけかい。
腹を立てて、ドリンクの容器をコートに叩きつけるような選手もいて、そのボトルを拾うこともあるとか。これは 「ボトルガーリング」か?
彼らは地元の中学生と高校生のボランティアで半年間もトレーニングを受ける。テニスのルールから、座り方、立ち方、手の上げ方、選手への接し方などを習うという。その中から何人かが選ばれて、晴れ舞台 (の黒子)としてテニスコートに立てるらしい。
ウィンブルドンの前哨戦ともいえるクィーンズのテニストーナメントでボールガールを務めた子の話では、バイト料は出ないが、控え室では毎日ランチやスナックが用意され、スポンサーのスポーツウエアメーカーから、ポロシャツが2枚、トレーナーが1枚、ショーツが2枚、トレーニングパンツが1枚、ソックスが数足にスニーカーが1足と帽子が支給され、トーナメントが終わればそれら一式を貰える。
クィーンズでは赤を基調としたエレッセのウエアで、もし買えば全部で200ポンド以上はするだろう。
おまけにトーナメント中の一週間は学校に行かなくてもいいのだそうだ。 (ここがポイント)
有名選手を間近に見ることができるのも役得のひとつ。一緒に写真を撮ったり、サインを貰ったり、話しかけることもできる。
時間が空けば、センターコートでトッププレーヤーの試合も見られる。
半年間のトレーニングの甲斐あって、というところだが、トーナメントが進むと、当然、試合数も減ってくる。で、同数のボールガールは必要でなくなる。
セミファイナルやファイナルの試合に出られるのは 「少数の優秀なボールガール」だけ。ここでも 「競争の原理」は働く。接待のシャンペンでヘロヘロになりながら観客席にいる連中を前にコートではボールガールも含めて激しい戦いが行われているのだ。
コートにすら行かずにテレビの前でラーメンなどをすすりながら試合を見ていた私の 「ふぬけぶり」が恥ずかしいほどである。
ま、いいや。私は 「体育系」じゃないし。
体力の限界に挑戦して戦う、なんて言葉は私の辞書にはありません。
投稿者 lib : July 12, 2007 12:05 AM