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October 24, 2007

白トリュフ

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白トリュフというものを生まれて初めて食べた。

「普通のトリュフ」なら、何度か食べたことはある。
「こちらがトリュフでございます」と、うやうやしくサーブされた皿の上には、顕微鏡がないと見えないくらいの大きさのトリュフがのっている。

「味わう」なんてものではなくて、 「歯の間に、はさまって」おしまいだ。
(ん? あの貴重なトリュフは一体どこに行っちゃったんでしょう? 口の中のどこかにあるはずなんだけど・・・)と行方不明になってしまう。

今回の食事会の主催者はA嬢である。
わざわざイタリアのアルバという所へ白トリュフを買出しに行き、それをリージェントストリートの裏にある某日本食レストランで調理してもらい、みんなで食べよう、という企画だ。
「食べたい。ぜったい食べてみたい。食べさせてー」と食い意地の張った私は、即、参加を希望。

友人と出かけた。レストランの地下は貸切で、日本人を中心として30人(?)ばかりが集まっている。(がっちり、食べさせてもらいます)と熱気にあふれている。

「これが、トリュフと白トリュフ」とA嬢がみんなに見せて回る。
トリュフは黒くて、ライチーを思わせるボコボコした表面でゴルフボールくらいの大きさだ。白トリュフはピンポン玉くらい、やや灰色がかった紙粘土をこねたような感じ。
強烈な香りがする。その大きさの物ひとつの現地価格が60ポンド(ユーロ?)だとか。

「豚を使って捜すんだよね?」と聞いたら、白トリュフは土の中のかなり深いところにあり、訓練された犬が掘り当てたらしい。

そういえば、子供の頃、何度か松茸狩りに行ったのを思い出す。
祖父母の土地に 「マツタケ山」つまり、赤松の林がある山があり、 「晩御飯のおかず」を採りに行った。親戚のおじさんや従兄弟が次々と見つけるのに、私は一本も探せない。見かねたおじさんから、
「はい、右に1歩、前に3歩、進んでごらん。手を前に伸ばして、そこでしゃがむ」
といった指示があり、やっと手にする事ができたのだった。

――私はキノコ採集能力に関しては 「豚」以下で 「犬」以下です。

このディナー。スターターは卵とサラダ(温泉卵だってさ)。 その皿の中へスタッフが白トリュフをスライスしてくれた。待望の白トリュフ、1.5センチ四方の薄いスライスが2枚きた。

さて、そのお味は? 

・・・味はない。香りはすばらしいが、何の味もない。歯ざわりは生のマッシュルームという感じ。

「香りが重要なのだから、いけない非合法の粉薬みたいに、片方の鼻の穴を押さえて、深く息を吸ってみたらどうだろう?」 「食べずに鼻の下にセロテープで貼り付けておくのは?」と意見を出したが、無視された。(当たり前)

メインコースはリゾットとビーフのフィレステーキ。デザートはアイスクリームとポテトのパンケーキ。それぞれにトリュフのスライスが添えられている。
メインコースからレッドワインにして、珍味を堪能。
トリュフ代と食事、ワインでひとり50ポンドくらいを払った。

A嬢にお礼を言って店を出たのが11時前。
「おいしかったけど、量が少なかった」
「ちょっと、お腹すいてる」
「日本なら、ラーメン屋にくりだすところだね」
と酔っ払ったサラリーマンのおやじのような私たち3人の会話。

「あ、あんなところにインドネシアン・レストランが!」

ごめんなさい、A嬢。告白します。
私たちはここで、 「ナシ・ゴーレン」と 「ガドガドサラダ」と 「ラクサ」を食べてしまいました。
「最高級の白トリュフディナーの後でガドガドサラダを食べただとー! あなたたちに白トリュフを食べる資格はない!」とA嬢に怒られるかな? 心配なんですけど。

どうか、粗野な私たちを許して・・・。また、呼んでね。

投稿者 lib : October 24, 2007 07:53 PM

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