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November 14, 2007
オフィスラブ 独身編 その2
同僚のT嬢はイギリス人で30代のはじめである。 「彼氏いない歴」がもう2年に近い。昔のボーイフレンドは煮え切らない態度にうんざりした彼女のほうからふったのだが、最近、その彼に新しい彼女ができたと聞き、内心おだやかではないらしい。
以前にスピードデート (2006年3月9日のブログ)に同伴したのだが、つきそった私のほうが盛り上がって大騒ぎしてしまい、彼女に恥ずかしい思いをさせた過去がある。あのときはごめんね。
さて、T嬢はかわいい顔をしているので、男の同僚の中にも彼女が気になっているのが数名いるようだ。
O氏は30代の半ば。 「仕事ができる奴」とみんなから評価されている。
「妻とうまくいっていない」と言い張る彼はT嬢に色目を使う。
「彼って、ちょっとセクシーだと思うのよね」と告白するT嬢。
・・・え? そうなの?
O氏は強引で男っぽく、性格こそ抜け目のないビジネスマンという感じだが、
「りんごのほっぺ」というか 「赤ら顔」というか、「白人特有の広範囲に渡るピンク色のほほ」をしている。金髪白人女のT嬢の目に映る 「セクシーな男」は日本人の私には 「日に焼けた田舎のおじさん」に見える。
ビジネススーツを着てシティで働くよりは、古びたセーターとウールのジャケット姿で羊を追ったり、牛の出産に立会いそうなほっぺたの色だ。
スイスの山並みを背景に立たせたら、 「アルプスの少女 ハイジ」と手に手を取って、頭のてっぺんから出る甲高い声で「ホールレイッヒー」と歌い始めるかもしれない。
どちらにしろ、彼は既婚者なのでT嬢はお誘いにのる気はないらしい。
P氏は40前。がっしりとして、背がすごく高く、 「濃い顔」をしているので、ちょっと 「ジョージ・クルーニ風」だ。
そうです。ジョージ・クルーニ。もう一度、言いましょうか? ジョージ・クルーニ。
「彼ってハンサムだと思わない?」とT嬢。
確かにルックスは悪くないと思う。ゆったりとした話し方も、知らない人にはおっとりと渋い雰囲気を与えるかもしれない。
しかし、彼の話はポイントにたどりつくのに延々と時間がかかり、イライラする。
「あー」とか「うー」と、もたついたり、話の途中でも、しばしば数秒間の沈黙がある。
新しい酸素を含んだ血が頭の中にゆっくりと流れ込んでくるのを待っているような悠長な話し方に、 「起きろー」と肩をつかんで揺さぶりたい衝動にかられる。
それで、つい、
「うどの大木」という言葉を思い出したり、
「大男、総身に知恵が回りかね」なんてフレーズが頭に浮かんだりする。
デートで割り勘、なんて場面を想定してみよう。お勘定が40ポンドなら問題ない。しかし、ふたりで35ポンドだと、彼に計算でき・・・(以下、省略)。
Q氏も30代の後半だ。バツイチの彼はT嬢への思いをはっきりと態度で示している。
パブで私が飲み物を頼んでも忘れてしまうが、T嬢のためなら、すぐにお替りを取りに行く。差別するなよー。
Q氏は彼女の席の横を通る度にうっとりとした視線を投げかけるそうだ。
彼からは何度もデートに誘われているらしいが、T嬢はうんと言わない。
なぜなら・・・、
T嬢は170センチで、いつも7センチくらいのヒールを履いている。つまり、180センチに近い身長だ。一方、Q氏はうーんと小柄。
ま、身長差はさておいても、彼の場合、
―――顔が 「ガマガエル」に似ている。
「彼に見つめられると全身に寒気が走るの」とT嬢。
「無理ないよ。あれだけ、ブxxxだと」と本当のことは言えないので、
「相性が悪いのかしらねえ・・・」と言葉をにごすことにしている。
最近、T嬢は社内恋愛をあきらめて、インターネットでの恋人さがしを始めた。
PS. 日本から友人が遊びに来るので、ブログを数週間お休みします。彼女はヨーロッパに来るのは初めて。一緒に遊びまくる予定です。
投稿者 lib : November 14, 2007 10:08 PM