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November 22, 2007

School Trip

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色々な世代の方が私のブログを読んでくださっていると思いますが、皆さんが中学校・高校に通われていた頃は校外学習などありましたでしょうか?

私自身は、小学校の時に、普通の遠足以外にも近くの消防署や醤油工場(って出身地がばれそうですね)に社会科見学として訪れた記憶はありますが、中学と高校になるとそういった記憶がほとんどないのです。美術館や博物館に行ったことはあると思いますが、それも数えるほどです。

イギリスのほかの地域ではどうか分かりませんが、私の勤める学校ではとにかくこのSchool tripがさかんです。教室での授業時間が潰されるため、校外学習自体に是非を問う声もあります。私が見ていてもあまりにも生徒が安易に校外学習を「楽しいもの」、教室での授業を「つまらないもの」と捉える傾向にあるので、そういう機会を与えすぎると逆に校外学習の意味そのものが薄れていってしまうのではないかという危機感はあります。全員は連れて行けませんから、どの生徒に校外学習の機会を与えるか、どのように生徒間の機会の不平等を無くしていくのかなど、課題も多いです。

このような論議はおいておいて、うちの学校で実際に実施されている校外学習についてお話しましょう。以前にも書いたとおり、うちの学校はPerforming Arts系の科目が盛んですので、演劇鑑賞やコンサートに行く機会が他の学校よりあります。それに限らず、各教科でカリキュラムに沿った校外学習が行われ、学年としても自然学習・情操教育の一環でキャンプに行ったり、ワイト島という島に旅行に連れて行ったりと毎週生徒も教師も誰かは何かの校外学習に関わっているという感じです。もちろん、いずれの場合も一クラス、または学年全体を連れ出すということは極めて稀ですが。日本のように修学旅行・林間学校的な一大行事もありませんし。

さて、実はかくいう私も今週の金曜日(みなさんがこのブログを読まれる頃ですね)には私自身が企画した9年生対象のschool tripで生徒達を校外学習に連れて行きます。各クラスから選んだ4人ずつの生徒、計32人(私の学校は規模が大きく8クラス制なのです)を同僚の歴史教員と一緒にDocklandsというところにある歴史博物館へ連れて行くのです。

9年生は現在、西アフリカ人奴隷史からアメリカにおける国民の人権運動までをカバーする単元を学習しています。明日の目的地である歴史博物館がSlavery Study Dayという生徒のための特別な企画をやるというので申し込みをしたのが9月半ば。それから色々とペーパーワークを終えて、生徒を選出してようやく実現というわけです。ただの博物館見学だけではなく、俳優さん達が当時の様子を再現しながらキャラクターを演じてくれたり、生徒が実際に参加できるアクティビティが多いというので連れて行く私も楽しみです。

ところで、実際に校外学習を実現させるにはいくつかの手順を踏まなければなりません。まず、行き先を決定、現場でどのような活動をするのかなど目的を明確にしてから、企画書と保護者へ送る手紙を作成して校長へ提出、その間にリスクマネジメントという災害時・緊急時の対処に関する書類を作り、訪問先へ仮申し込み・保証金や料金の支払い・交通手段の確認・アレンジ(貸し切りバスの場合はその手配)を済ませておきます。校長から許可が下りたら、申し込みを確定、参加する生徒を選んで、保護者からの許可書と医療関係の書類(持病の有無などを記載する)を集めます。そして最終の参加者リストを作って、生徒のお昼用のサンドイッチを注文したりして当日の準備をするわけです。

新任として勤め出してから4年、今まで何度も色んなschool tripを企画し、二年前には8年生の学年全体をHampton Court Palaceという宮殿に(同日に全クラス一度ではありませんが)連れて行ったこともありました。ですので、School tripの企画・実行は慣れているといえば慣れているのですが、意外に細かいところでかなり時間を消費するものなのです。それでもやはり、校外学習は意義深いものとされていますので(私も実際にそう思いますし)、教科主任として色々と企画をしていくことが奨励されているのであります。

School trip当日は私が引率者となるわけですが、そんなに遠隔地ではないとはいえ、やはり生徒の安全のことなどを考えると気を緩められません。それに加え、地下鉄でたむろするロンドンの若者(そして一部の大人も)を目にしたことのある方ならお分かりかと思いますが、子供って集団になると公共の場で目を疑うような行動をとるので目が離せないのです。今までに一体何度恥ずかしいと思いながらも「Be quiet! Behave yourself!!」などと声を荒げたことか。そして周囲の非常に痛~~~~~い視線を浴びたことか、、、。

あぁ、どうか生徒たちが何も問題を起こさずに、地下鉄でも静かに行儀良くしてくれますように。神にもすがる思いです。

投稿者 lib : November 22, 2007 11:56 PM

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