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December 14, 2007
Power of Eid
今日の2時限目、9年生の授業の最中にMid-day supervisor(休み時間中の生徒の監視員。授業中の構内や学校付近のパトロール、事務の手伝いなどもする)の女性が教室に入ってきました。彼女の手には校長からの全校生徒と保護者に宛てられたレターの束が。
なんだろうと受け取って見ると「End of Term Arrangements(学期末の予定)」とあります。数週間前に同じような手紙が全校生徒に配布されていたので「何でもう一度、、、?」と不思議に思って読み進めると大切な予定変更があるとのこと。
当初の予定では来週火曜日が生徒にとっての終業日で一時限目は学級会(というよりパーティ)、二時限目はスタッフによるパフォーマンスを鑑賞した後に生徒はお昼休み前に帰宅、午後は教職員の研修会があるはずでした。そして水曜日は引き続き教員の研修日となるはずでした。ところが手紙の記載を見ると終業日が月曜に研修日が火曜日に変更になったというではないですか。学期中に学校が突然休校になったり(冬に暖房設備用のボイラーが故障したとか、職員のストライキなどで)、イベントの予定が変更になったことは過去にも何度かありました。が、ただでさえも予定が立て込んで忙しい学期末、しかも終業日が突然変更になったことなど初めてです。
しかし、理由は簡単でした。実は来週の木曜日はEid ul-Adhaというイスラム教徒の大きなお祭りがある予定だったのですがそれが突然水曜日に変更になったのです。イスラム教徒の教員も多い学校なので彼らに考慮すると研修日を水曜日にするわけにはいかず、一日繰り上げるというわけです。
このお祭り、イスラム教徒にとっては年に二回あるEid(イード)と呼ばれるお祭りの一つで、一つ目はラマダン(断食月)が終わった直後のお祭り(Eid ul-Fitr)、今回のEid ul-AdhaはHajjと呼ばれる聖地メッカへの正式な巡礼の日の翌日に行われるのが慣わしのようです。このようにEidは宗教上のお祭りですが、実際に生徒達にとっては美しい衣装を親に新調してもらって美味しいものを食べて家族や友達と出かける恰好の機会のようです。
さて、クリスマスのようになぜ毎年同じ日にお祭りが行われないのかと思われるかもしれませんが、イスラム教のカレンダーは太陰暦に基づいているため、太陽暦のカレンダーで見ると毎年日にちが変わるのです。そして、Eidがどの日になるかはイスラムの聖職者が月の満ち欠けを見て決めるらしく、このように直前に変更になることもあるとのことです。全校生徒の約90パーセントがイスラム教徒である私の学校の場合、このような宗教行事が学校の全体行事までをも動かしてしまうのです。
というわけで、イスラム教徒ではない私もちゃっかりこの恩恵を受けて水曜日が休みに(でも本当は採点が山のように溜まっているのですが、、、)。当日はこれまたキリスト教徒でもないのにしっかりとクリスマスショッピングに勤しむつもりです。
投稿者 lib : December 14, 2007 09:39 AM