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January 17, 2008
アニメの力。
先週の水曜日だったでしょうか、とても驚く出来事がありました。
まだ学期も始まったばかりの先週は、私も採点や授業準備に相当追われてばたばたしており、昼休みものんびり座ってお昼を食べる余裕がないほどでした。その日もそんな状態で、次の時限の授業のことを考えながら廊下を足早に通っていました。
その時廊下には、雨天のため昼休みに建物内にいることを許可された生徒たちが立っていました。普段は生徒は休み時間中に監督できる職員のいない教室や廊下に留まることを許されていないのです。
さて、その時廊下にいた生徒たちの中には私のクラスの生徒(Rと呼びます)と他の9年生クラスの生徒の一団が一緒におしゃべりしていました。すると、私の生徒Rがこっちを見てすかさず、「先生、片側の髪の毛立ってるよー」と一言。
あらら、と思って手をやってみると確かに髪の毛が片側かなり乱れていました。忙しく動き回っていたので言われるまで気づきもしなかったのです。「えー、恥ずかしいわね。ありがとうね」と生徒に手伝ってもらって髪を整えていたその時です。
「ダイジョウブデスカ?」
、、、えっ?
耳を疑いました。そのグループの誰かが日本語で話しかけてきたのです。ネイティブの発音までは行きませんけれど、一語一語しっかりしていてイントネーションもなかなかのもの。
驚きながら発言の主を見ると、何と私の教えている9年生クラスの生徒の一人、生徒Gでした。
生徒Gは普段の授業では「具合が悪い」・「お腹が痛い」などと授業中の課題を逃れたいがゆえに色々と言い訳をする達人(本当に具合が悪いかどうかは本人と周りの様子でわかるものなのです)。読み書きに自信が無いところから来ている部分もあるのですが、なかなか感情の起伏が激しく対応するのが難しく衝突したことも過去に多々ありました。
彼女が一体なぜ日本語を知っているのか不思議でたまらず、「すごいじゃないの!どこで学んだの??」と私も興奮を隠せずに聞くと、「日本のアニメを見て覚えた」とのこと。
デジタルテレビが普及してきたせいでしょうか、アニメが好きな生徒が見渡せばたくさんいます。最近、日本語を学びたいと言ってきたり、あるいは生徒Gのように日本語を自分で覚えて私に話しかけてくる(ほとんど単語や短いフレーズですが)生徒も多くなったように思います。この間も私の運営するJapanese clubで生徒が「先生、日本の音楽かけていい?」とMP3で嬉しそうに日本語のアニメソングや宇多田ヒカルの曲などを聴いているのです。
日本ではアニメに関して教育上での賛否両論があるかと思いますが、英語環境の中で突然聞く日本語はすごく新鮮で、生徒が日本語を覚えてくれることが素直に嬉しくもあります。アニメの力、侮り難しです。
投稿者 lib : January 17, 2008 09:17 PM