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April 02, 2008
ああ、海外出張(その3)
やっと現地で合流したマリアや先方の人々と会食となった。
ワイワイとみんなよく喋る。
子供の話になると私もバーバラも関係ないので、2人で違う話題で話していた。
その印象は、結構いい人で、好感が持てる。
しかし、30分毎に小さな鏡を見て、免税店で買った口紅を綺麗に付け直しているのが気になった。
うーん。自分の身だしなみに厳しいのかな?それともナルシスト??
なんたって私は、英語が自分の言語でないので、だんだん無口になってくる。
ああ、ワインが旨い。料理もなかなか。勧められるままにデザートまで食べた。
満腹。満腹。満足。
そして、明日の朝の集合時間を聞いて、各自ホテルの部屋に。
朝食を食べにダイニングにいくと、マリアもリタもいた。
2人も普通の朝食を食べている。
なんていったってドイツの朝食はいい。ハムやチーズ、パンの種類が豊富でうまい。
それにケーキが朝食に用意されている。と、朝からケーキを食べて満足な私だ。
それに比べてイギリスの朝食はなんて淋しいのだろうか。涙。
あれ、バーバラがいない。朝食抜きなのかな?
そして、玄関に集合し、この出張の目的の場所へバスで向かった。
そこは工場で、担当のPRを紹介されて、さっそく一同工場見学を始めた。
ここではメモと写真を撮るのは、もっぱらマリア。時々興味本位で質問するのは私。
バーバラを見ると、なんだか元気がなくただ皆の後をついて来ているだけのように見える。
リタが、「どうしたの。今日は静ね。」と聞くと、
「だって情報がいっぱい過ぎるんですもの。」と
現地のPRの人の話が長いのと、工場の中を連れ回されているのでちょっとご機嫌が悪い。
しかし、我々はかれこれ2時間は工場を歩いていただろうか、
これじゃバーバラがいうのも無理はない。
PR担当者も「じゃあ、ちょっと休憩しましょう。」と我々をキャンティーンに連れて行ってくれた。
各自、水やお茶を飲んでいると、コツコツ、と音がした。
見るとバーバラが、ゆで卵を割っているではないか。
その視線を感じてバーバラが「朝食なの。」という。
えっ?と皆の目が点になっている。
ちょっと休むといっても、だれも何も食べていない。
みんなは、バーバラの行為にただ、唖然、沈黙だけ。
そして、お決まりのようにバーバラは、鏡を取り出し、口紅を付け直した。
バーバラが食べ終わったのを見計らって、
現地のPRの人が「朝食は終わったの?」と彼女に聞いていた。
バーバラはすまして、「ええ、終わったわ。」。この2人の間にはちょっと冷たい関係が見えた。
ともかく我々は1日中、工場内を歩き回り、質問し、写真を撮った。
その間、1度もバーバラは、質問も写真も撮影しなかった。
真面目なマリアとは、正反対なバーバラの態度に、
みんなは、彼女がいったい何をしにきたのだろうか、と疑問をもったようだ。
最後にお茶をしていた時に、現地PRの人が各自に感想を聞いてきた。
このとき、問題児のバーバラはすでにPRのイメージを掴んでいて、
しっかりと意見を述べていた。なるほどしっかり見ていたんだ。
そして、バーバラは、鏡を取り出し、口紅を付け直した。
私は、飛行機での優しい態度、そして、自分のやり方で仕事を進める彼女の姿を見て、
すっかりバーバラが好きになった。
その夜は、お疲れさま会で、また会食だ。飲んで、食べて、飲んだ。
バーバラとはさらに話し込んだ。
時々、鏡を取り出し、口紅を付け直した。
よく話を聞いてみると口紅を何度も塗るのは、唇が乾燥してしまうからだそうだ。
そうか、ナルシストだけの理由ではなかったんだ。
次の日は、私だけが別行動をするので、みんなとは朝に別れることにした。
最後にみんなとハグをして、バイバイをする時に
バーバラは「一緒に楽しく過ごしてくれて、ありがとうね。 」って別れの挨拶をくれた。
たった数日だったけど、英語は下手だけど、もっと英国人を知りたいなーと思った出張だった。
投稿者 lib : April 2, 2008 02:15 PM