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May 16, 2008

バナナパワー

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先週は9年生のSATsテストがありました。

SATs(サッツと読みます)というのは、Englandの学校でおこなわれる英語、数学、理科の3科目の学力テストのことで、国の定めたNational Curriculum(学習指導要領)に基づいて全国統一の問題が出題されます。

初等教育の後期課程にあたるKey Stage 2と中等教育にあたるKey Stage3の最後におこなわれるテストです。学年でいうと6年生と9年生で受験します。

このSATs、子供に試験のための詰め込み式の学習をさせることになるため、子供が本来持っているはずの「学ぶことへの意欲・学ぶことを楽しむ心」を失わせ、授業も点数を取るためのテクニックばかりが偏重されるようになり、現在の教育問題の根源だとして廃止を求める声も多いテストです。

しかしながら、現実問題として学校として良いスコアを出さなければ学校の評判は落ちるわけですから、各教科を教える同僚たちは必死です。

結果がはっきり点数に出てしまうテストですから彼らにかかるプレッシャーは計り知れません。何度も補習・復習授業をやったりと、先週までの同僚たちの苦労は相当なものだったと思います。

さて、SATsの週は9年生は毎日試験のため、当然、私の担当する歴史も含めて他の教科の9年生の授業がおこなわれません。

代わりに試験と試験の合間にある授業時間に普段担当しているクラスの復習を手伝ったり、試験監督をしている先生の代わりに代理で授業を担当したりします。

手伝うといっても専門外の教科だと本当に教えるのが大変で、実際、理科の過去問題を解くのを手伝いましたが、英語で理科の専門用語を知らなかったりとかなり冷や汗モノでした。楽しい経験でしたが。

ところで、表題の「バナナパワー」って何だと思います?

ある日の放課後、理科の学科主任である同僚Jが職員用の廊下でバナナが何十本も入っているダンボール箱をチェックしているので「何なのそれ?」とたずねたら、「明日は9年生が理科の試験だから朝にこれを配るんだよ」と。

確かにその日の朝、うちのクラスの生徒が「理科の先生が試験の日にバナナをくれるんだ!」と言ってましたっけ。そのときはそんなこと本当にするのかなぁと半信半疑だったのですが(ごめんなさい、J)。

なんと彼は各クラス20本ずつほど、計160本ものバナナを生徒のために買ってきたというのです。

バナナはとても良いエネルギー源で、実際に頭の働きや集中力を高めてくれるらしいです。朝食をちゃんと食べずに(って私は人のこと言えないのですが)朝からスナック菓子ばかり食べがちな子供たちになんとか健康なものをと彼が考案したこのプレゼント。

「スーパーで全部レジに持っていったら数が多すぎて最初清算拒否されたんだよ」とバナナを買いに行ったときのエピソードを笑顔で披露するJ。生徒を思いやる先生の鑑ですね。

これから夏学期もあと二ヶ月ありますが、9年生はSATsが終わるとどうしても気が緩みます。「試験終わったから夏まで勉強しなくてもいいじゃーん」と。

そんな緩みきった9年生の脳をどうやって活性化させられるか。

、、、私もバナナ配ろうかな。

と、ちらりと考えた私です。

投稿者 lib : May 16, 2008 11:16 PM

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