« 歯痛 その2 (COCO) | メイン | Olympics 2012 »
August 26, 2008
それぞれの結果 其の壱
8月21日はセカンダリースクールで教えている教師たちにとって特別な日でした。
6月・7月に11年生が受けたGCSE試験の結果発表の日だったのです。
もちろん、ここはイギリス。ホリデーでどこかに行っている同僚も多いでしょうし、わざわざ学校に出向いて結果を確認する教師はそんなにいないのですが。かくいう私も去年は日本にいて、結果を知ったのは9月に入ってからでした。
でも今年の夏はロンドンで過ごしたこともあり、この日が近づくにつれ気になること気になること。今年のクラスは人数も例年より少なかったので一人一人に思い入れがあるというか、彼らの成長(または退化?)をつぶさに見てきたこともあり、結果は非常に気になるところでした。
また、試験の一ヶ月半前には今年の11年生の模擬試験の主要科目である数学の成績の悪さ、夏の本試験への影響を懸念した学校の上層部が急遽、私の歴史クラスや他の非主要科目の授業から数人を引き抜いて数学の補修クラスへの参加を強制するなど、ごたごたのあった年でもありました。
それなのに最後はほとんど無勉強な状態にもかかわらず、彼女らは結局歴史の試験を受けさせられる形になり、なんというか上層部のお粗末な対応を見たのでした。
主要科目の成績は学校のランキングに直接影響を与えるので彼らが焦った気持ちはわかりますが、もうちょっと早くからのフォローは出来なかったのでしょうか。
このような歴史科目を非常に下に見るような扱いに私たち歴史教員は相当な不満であり、生徒からもこの対応に疑問を持つ声があったのですが結局は上層部の決断が通りました。
すごく正直に言って、選ばれた数人のほとんどが普段も素行が悪く、授業態度も他の生徒に悪影響を与える側面もあったので彼女らのいない授業は格段にやりやすかったのは事実なのですが、、、。
否が応でも結果は出てしまう訳で、不安な思いを持ちつつ私は当日に学校に向かったのでした。そしたら、学校まであと3分というところで遠くから「Miss ○○○(私の名前)」と呼ぶ声が。
試験結果を貰った帰り道であるらしい生徒Fです。彼女は本当に努力家。でもその努力を苦労ととらえず常に積極的なのが彼女の素晴らしさ。
でも同時に教師への要求は高く、授業中にわからないところはすぐに聞いてくるし、試験問題を授業中に出せばすぐにチェックするように私に頼んでくる子です。まさに生徒の鑑なのですが私をなかなか休ませてくれません(笑)
クラスで一番模擬試験の結果もよく、間違いなくグレードA(最高はA*-エイスター)は取れると思っていたのですが、、、。そんな彼女、私のところへ駆け寄ってきて、なんと開口一番に「信じられない、Bを取ってしまった!」と。
試験の感触も良かったと言っていただけに私も驚き、彼女が「納得できない。再採点してもらいたい」と言うので一緒に試験関係の事務を総括する同僚Mのもとへ。
一緒に試験結果を分析してみると、なんと、彼女は少しの差でグレードAを逃していたことがわかりました。
グレード(A*からGまで)は、二つの歴史試験(一つは史料解釈、もう一つは主に自己の知識を基にエッセーを書く問題)、そして二つのコースワーク(学習課題)のそれぞれの結果を基に特殊な方法で算出された点数によって決まるのですが、彼女の場合、それがAを貰うには1点足りなかったのです。
史料解釈の試験で点数が伸びなかったのが明らかな原因ですが、何しろ全て筆記試験。採点基準は同じものの試験管によって点数のばらつきがあるのは事実です。もし、最採点をリクエストすれば4-5点でも伸びることはあります。もちろん、点を減らされる危険性もあるのですが。
話し合った結果、彼女もそのリスクを理解した上で、それでも点が増えることに賭けたいというのでこの試験だけ彼女の解答の再採点を申請しました。
さぁ、これが吉とでるか凶とでるか、、、それでもBを取れることはまず間違いないのですが、なんとか彼女の努力が報われるような良い結果を祈るばかりです。
(他の子たちの結果については次週のブログで)
投稿者 lib : August 26, 2008 09:51 AM
コメント
Fさんの再採点、きっとうまく行くのではないでしょうか。そういう願いをこめて、続報をおまちしていますね。
投稿者 dekobokoミチ : August 28, 2008 10:01 AM
有難うございます。
ほんとうに上手くいくことを願っています、、、。
投稿者 月子 : September 5, 2008 11:09 PM