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October 01, 2008
ボイラーの修理 その2
イギリスのエンジニア(修理工)は1時間当たり50ポンドから200ポンドをチャージするそうである。転職しようかな・・・。
「それでは来週の火曜日にエンジニアを送ります」とガス会社。
火曜日って、今日は木曜日なんですけど・・・。5日後?
「需要の少ない夏にボイラーの点検を」というキャンペーンを張っていたわりに、ずいぶん時間がかかるじゃないの。これでは 「需要の多い冬」にエンジニアを頼むとどのくらい待たされるのだろうか? 数週間?
――イギリス在住の皆さんへ、ボイラーの点検はお早めに
本当にちゃんと来るだろうかとドキドキしていたが、火曜日にエンジニアはやってきたので、ホッとした。 噂によると予約を入れておいても 「来たり、来なかったり」だそうである。電話を入れて文句を言うと、 「そんな予約は知らない」と言われ、 「頭が怒りのボイラー」になるらしい。
エンジニアのおにいさんはさっさと仕事に取りかかった。 が、ボイラーのパネルがなかなかはずれないらしく、ブツブツ言っている。
(苦しめ、苦しめ、苦しめばいいのじゃー)と思いながらこっそりと見ていた。
210ポンドも払うのに、エンジニアが簡単にパネルをはずして、
「あ、これが緩んでましたね」
と、あっさりネジを締めて5分で退場なんて許せないではないか。
が、20分も経つとおにいさんの口調が変わってきた。
「何だよ、これ。一体どうなってるんだ。何ではずれないんだよ・・・」
そのうち、SXXX だの FXXX だのといった言葉まで混じってくる。
・・・まずいかも。 直らなかったらどうしよう?
さっきまでの態度を改めた私は神様にお願いする。
(神様、お願いです。どうか、私のボイラーを直してください)
と、祈りが通じたのか、ボイラーのパネルがはずれた。
やっぱり、神頼みは効く。 特に 「病気の回復」や 「恋の成就」に 「受験合格」といったお願いは多くて順番待ちが長いが 「ボイラー修理」のお願いの数は少ないだろうから、処理が早かったらしい。
パネルがなかなかはずれなかったのは、数年前に頼んだ配管工のおやじの仕事が雑で金属部分が妙な角度で曲げられていたらしい。 あのおやじめ、1300ポンドもチャージしておきながら、いい加減な取り付けをしてくれたな・・・。
パネルははずれたものの内部を点検したエンジニアはあっさり言った。
「部品が壊れているので、それを持って明日来ます」
・・・持ってないの?
「大丈夫。明日ちゃんと来ますから」
私は働いているので、 「明日」なんて日はそう簡単には来ない。 「また明日」という日は 「またまた有給休暇の申請とそれに対する許可」というプロセスの後にやっと来るんですけど。
私はシクシクと泣きながら、
「ぜったい、ぜったいに明日も来てね。私のこと、忘れないで」と捨てられそうな女が恋人にすがるような態度でエンジニアのおにいさんに頼んだのであった。
翌日、また貴重な有給休暇を使い、やっとボイラーの修理は完了した。
それから数週間後、ゴゴゴ、ガガガガーという音と共にボイラーは停止。驚いてスイッチを切り、しばらくしてから恐る恐るスタートさせてみると、何もなかったように動き始めた。
・・・どうしたらいいんだろう? もう一度エンジニアを呼んだら、また210ポンド取られるのか? それとも、ちゃんと保証期間があるのだろうか?
でも、また確実に有給休暇を使って、エンジニアを待つんだよな・・・。
PS.その後、もっと安い 「ボイラー保険」の宣伝が新聞に載っていた。 が、この保険に入っていても、エンジニアを呼ぶと一回50ポンドチャージされると小さい文字で書いてあった。恐るべし、イギリスの修理費。
投稿者 lib : October 1, 2008 08:24 PM