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May 11, 2009
まるでファッションショー
今日の放課後、いつものように自分の教室であれこれ来週の授業準備やらメールのチェックやらをしていると、窓の外から賑やかにおしゃべりをする声が聞こえてきました。
その声の主たちは11年生。
今日は一日中、11年生の式典がおこなわれていたのです。一応、彼女らの達成を祝う卒業式みたいなものなので、生徒はここぞとばかりに着飾ってくるのです。
その様子はファッションショー並み。色とりどりの服を着て、楽しそうに写真を撮ってはしゃいでいます。これから学校内の劇場(といってもたいしたことありませんが)で生徒たちが踊ったり歌ったりするディスコイベントが開かれるようで、そしてその後にはディナーパーティがあるようです。
うちの学校は女子校なので、男の子が女の子を誘って踊るプロムみたいなダンスパーティみたいなのはないのですが。まぁ、女の子だけでも相当楽しいようです。
中には太ももまで丸出しのタイトなワンピースを着て、10センチ以上もあるハイヒールシューズを穿いて、我々から見ると「何の職業?」と思ってしまうような出で立ちの子もいたのですが、、、。まぁ、(ちょっと間違えているにしても)みんな大人の格好をしたいのでしょうね。
でも、この式典、学年主任や担任たちにとっても嬉しいイベントですし、生徒の中には感動して泣いてしまう子もいるようですが、何とも奇妙なのは式典が開かれるタイミング。
今はまだ5月上旬。これから徐々に11年生が受けるGCSEの公式の試験(Public examsと通常呼ばれます)が始まるわけで、私の担当教科の歴史も6月の上旬に試験があります。
今日式典を迎えたからといって、彼女らの授業が終わるわけではなく、最後の教科の試験が終わるまで登校が義務付けられています。
実際、今日着飾っていた子達も何事もなかったかのように来週月曜日には普通に私の授業に来るわけなのです。
普通の感覚だと、全ての試験を終えた時点で卒業だと思うのですが、学校の方針なのか、自治体の方針なのか、式典だけ二ヶ月も前に終えてしまうわけです。
そして、もっと奇妙なのが、生徒には最後まで学校への最終登校日を知らせないこと。
これは、学校への最終登校日となる日に毎年といっていいほど一部の生徒が問題を起こすためです。例えば、Flour fight(小麦粉合戦?)。つまり小麦粉をそこら中に投げつけるのです。もちろん、標的は他の生徒たち、車、そして運が悪ければ教師自身にも被害が、、、。想像しただけで恐ろしい。どうか、粉だらけにされませんように。
なにはともあれ、この11年生たちを教えるのもあと一ヶ月となりました。今年の11年生は私がこの学校で働き始めた年に7年生だった生徒たちです。あんなに小さかった(そして素直だった。泣)子達が大きくなって育っていく。
大人だけがいる職場と学校という職場が大きく違うのは、人間の成長を目の当たりにするところですね。いろいろ紆余曲折がありながら、それでも最後は大きくなって巣立っていくんです。
来年は私の担任クラスの子達の番。うーん、あと一年もあるのに想像するだけでちょっぴり淋しくて切ない気持ちになりますね。
投稿者 lib : May 11, 2009 09:41 AM