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June 17, 2009

涙のカラオケ大会

career2.gif
某金融機関に勤める友人が会社のカラオケ大会に参加したそうだ。

「カラオケ好きなの?」
「いや、社内のネットワーキング」
だそうである。大きな会社なので、時々こうやって社内のイベントに参加し、マネージメントの人とおしゃべりをして、ゴマをすったり、情報を仕入れたり、あわよくば他の部署で良いポジションに移ろうという魂胆らしい。

・・・イギリス人のサラリーマンもそれなりに苦労しているのね。

さて、この会社、かつてのパーティでは数百人を集め、豪華なホテルを借り切り、シャンパンを浴びるほど飲ませ、とバブリーなコーポレートワールド絵巻を繰り広げていたのだが・・・。

「どこで開かれたの?」
「会社の会議室」
「え?」
「おまけに会費制」
「ええ?」

確か自社の株価が四分の一になってしまったと泣いていたが、ついにそこまで・・・。

大きな会議室を開放し、飲み物と軽食が用意されたという。
イギリスの会社ではなく、本国では政府の資金注入もあったらしい。そんな時節柄、会社の金で派手なイベントを組んでいると思われたくなかったのか? でも、時には社内交流会も必要で、というわけで、会議室で会費制のカラオケ大会・・・苦労がしのばれる。
まあ、会費が10ポンドというのは形だけの徴収で、飲食物の費用の大半は会社がまかなったのだとは思うが。

ちなみにこの会社は数ヶ月前に全従業員の10%がクビ、来月にはさらに7%が人員カットとなるらしい。
友人も 「もし、今クビになったら」と退職金を計算している。かなりの額(友人試算による)は貰えるようだが、無税なのは3万数千ポンドまで、それ以上は40%の所得税がかかるらしいので、
「3万数千ポンドは現金で貰い、残りは税金のかからないように年金に組み込んでもらう」そうである。

3万数千ポンドなんてイギリスの物価の高さを考えるとアッと言う間に消える額だ。残りは年金にするなんて、ずいぶん余裕があるなあ。

さて、そのカラオケ大会で挨拶をして回っていると、何人か馴染みの顔に会ったという。

ある女性同僚の夫はミリオン単位(数億円)という稼ぎがあるが、忙しくて結婚生活には不満がいっぱい、という話だったが、この不況で収入は激減。さて、今は?

・・・離婚訴訟中だそうである。   

さて、もう一人の女性同僚。去年までマネーマーケットで巨額のボーナスを稼ぐダンナがいたが、彼は今失業中で、

・・・離婚訴訟中だそうである。

男の同僚は業績が落ちて不眠症になり、家族にやつあたりしていたが、

・・・離婚訴訟中だそうである。

そのカラオケ大会の話を知り合いの家庭問題専門の弁護士にしたら、

・・・たいへん忙しいそうである。

金の切れ目が縁の切れ目というのは万国共通である。

投稿者 lib : June 17, 2009 09:51 AM

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