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July 05, 2005

送別会 LIBホームページへ

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この時期は、日本に帰国する知人の送別会が頻繁にあります。官庁や多くの企業にとって、夏が人事異動の時期であるため、駐在員も夏から夏をサイクルとして入れ替わることとなるのでしょう。自分も来年の今頃は送り出される立場になるかと思うと今から(早くも)名残惜しくなります。
 日本では歓送迎会といえば職場の近くの居酒屋で宴会と相場が決まっていましたが、英国では送別会(こちらでは「歓迎会」というものはあまり見ないような気がします)にもいろいろな形があります。
 先日、某国際機関に勤めるHさんという人の帰国に際し送別会がありましたが、これは、彼の上司の計らいで、公園での送別ピクニックという粋なイベントとなりました。もともとピクニックを選んだ理由は、小さなお子さんのいるHさんにとってレストランなどは行きづらいということでしたが、これであれば他の人達も家族連れで気軽に参加しやすいですし、何より、英国最後の思い出を脳裏に焼き付ける場所として、この季節の公園に勝るものはないでしょう。もっとも、ピクニックは、友人等を呼ぶのも歓迎ということだったので、総計20名以上が集り、ほぼ単なる宴会と化して送別会の趣旨がどこかに飛んでしまいましたが。(私も、その日初めて会う人をついでに呼んだりしてしまいました。なお、私が日本を発ってくるときも、いろいろな人達が送別会をやってくれたのですが、友人のとあるジャーナリストは何とふぐ料理店で企画をしてくれました。これ自体はありがたいイベントだったのですが、単にふぐ料理目当てで来た人が多かったらしく、参加者の半分以上は会ったこともない人達でした・・・)
 英国の職場では、日本と異なり一年を通じて人が出たり入ったりしているので、けっこう頻繁に送別会(leaving do)があります。課の誰かに異動が近づくと、必ず回ってくるのが、leaving cardと封筒です。leaving cardには、その人へ向けたいわゆる寄せ書きをするわけですが、封筒には皆がお金を入れ、それを使ってプレゼントを買うことになります。それらを送別会の場で異動する人に対して渡すわけですが、送別会自体は、本人の希望に応じて、近くのパブで行ったり、簡単に職場内でワインを開けたりと様々です。私が昨年課を異動する時にもやはり、職場付近のパブで同僚達が送別会を開いてくれたのですが、私へのプレゼントはモルト・ウィスキーのボトルと、ショットグラスでした。よほど飲むのが好きな人間と思われていたのでしょうか。
 昨年末、Ianという同僚の送別会は印象的でした。彼は、いわゆる「キャリア」公務員ではなく、business supportという裏方仕事をしてきた人ですが、英国財務省に27年間在籍していました。人の出入りが激しいこの組織で、27年間を過ごすというのは、まさに歴史の生き証人といってもよい人物です。彼は(イギリス人にしては珍しく)仕事の鬼で、送別会も職場内でささやかに行うこととなりました。しかし、彼への寄せ書きは、カードではとてもスペースが足りないので、小さなノート丸一冊に書き込まれました。そして、その冒頭のページには、財務大臣のゴードン・ブラウン自らが直筆でねぎらいの言葉を記したのです。局長や事務次官といった最高幹部であればともかく、一介の職員に対しては異例の配慮です。ベテランに対する敬意は、日本でも英国でも変わらないのかもしれません。

投稿者 lib : July 5, 2005 07:41 PM

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