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November 01, 2007

初めの一歩

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ハーフタームも終わり、再び学校が始まりました。

始まると授業準備に生徒の課題やノートの採点などやることが多くて忙しいですが、その代わりに休みと違って一日の中にリズムが生まれるので休みの時より格段に充実しているように感じます。

さて、先週のブログの中で「ハーフターム前に多忙でストレスレベルが最高潮に達した」と書きましたが、今回のテーマはあの時なんでそんなに忙しかったのかについて。

実は、ハーフタームに入る前の週に日本から大事なお客様が我が校にいらしたのです。火曜日は日本でイギリスの歴史学で研究しておられる方、水曜日にはCitizenship教育(いわゆる公民教育?でもちょっと日本の学校の教科にある「公民」とはコンセプトが異なるようです)の研究をなさっている三人の研究者の方々。いずれの研究者の方も日本では教授・助教授と呼ばれる方々で、長年社会科教育学研究をされています。その方達が研究の一環で現地校を訪問されたいというので私がcoordinatorとなってお迎えしたのです。その準備と当日の対応でハーフターム前はてんてこ舞いでした。

でも一体何故研究者でもない私が日本の研究者と知り合ったのか。それはネット時代の賜物としか言い様がありません。

始まりは実は私がイギリスに来て一年目に歴史教育学のマスター(修士課程)をやっていた時でした。実は日本の歴史教科書について修士論文を書いたのですが、その資料集めをしていた時にどうしても日本に一時帰国する前に情報が欲しく、ウェブサイトを持っておられる社会科教育学の研究者の方とメールで連絡を取って力を貸していただいたのでした。

それから教師になって二年経って教師と言う仕事にようやく慣れてきた頃、教師をそのまま一生続けるのか、それとも他に自分が進める道があるかと考えるようになりました。そして自分は元々日本で教員になりたかったわけで、日本で教職に就くことは無くとも、何か日本の教育界と関わってできることがないかと漠然と思ったのです。思い始めると居ても立ってもいられなくなり、かといって日本とコネクションがあるわけでもない。どうしようかと考えていたところで、ふと、マスター時代にお世話になった研究者の方のことを思い出したのです。

それからはあっという間でした。その方と無事連絡も取れ、その方にイギリスの教育を研究されている大学教授の方を紹介していただいたのです。なんとその先生は私がマスター時代に読んだ多数の学術文献の著者でもある方でした。折りしもその先生と他の方々が訪英するので、私の学校を研究の対象として訪問したいというお話をメールでいただいたのでした。

今回の訪問で生まれて初めてコーディネーターとしての仕事を経験しました(といっても所詮素人ですが)。見学してもらう授業や教師とのインタビュー、校長や生徒会委員達との面会などのスケジュールを組みましたが、日本の研究者の方々(しかも実際に一度もお会いしたことがない)と私の学校のスタッフとの間に立って双方の希望に沿いながら計画表を組むのは思ったより大変でした。当日もインタビューの時間が変更になったり、面会の時間がずれたりとかなりスリリングな状況に。私の悪い癖で必要以上に一人であれこれ考えすぎて胃がきりきりしていました。まぁ、結果として何とかなったのですが。校長の秘書に「顔が強張ってるよ、大丈夫だからリラックス!」って言われてしまいました。相当顔に出ていたんですね。

訪問予定日の数日前は教師としての仕事も山積みで「何で引き受けてしまったのだろう」とかなり現実逃避しかけていましたが、訪問された先生方に非常に参考になったとおっしゃっていただけて、そんな思いは遥か彼方に吹っ飛んでしまいました。ここに書ききれないほどいろいろなことを学びましたし。今は「引き受けてよかった!」です。

日本の教育とイギリスの教育が繋がるための架け橋になるための第一歩を踏み出せたようで自分としては本当に貴重で充実感溢れる幸せな体験でした。

、、、その日の帰宅後、爆睡したのは言うまでもありませんが。

投稿者 lib : November 1, 2007 11:10 PM

コメント

ハーフタームホリデイ、あっという間に終わってしまいましたよね。私は遅れた仕事の挽回や先々の準備もろくにできませんでした。月子さんはちゃんと仕事のために登校されたんですね(拍手)。あとクリスマスまでの8-10週間、いろいろなことがうまくはかどるといいですね。私は今月がいよいよQTSの査定の月かもしれません。いえ、へたをしたら、12月にずれこむかも、です。健康第一で、お互いにがんばりましょうね。
日本のお客様の橋渡し、おつかれさまでした。両方に喜んでもらえたら、何よりですよね。よかったですね。

投稿者 dekoboko : November 2, 2007 08:42 PM

>Dekobokoさま
有難うございます。
いえ、登校したといっても1日に3時間くらいです。それ以上いるとなんだか自分が悲しい人間のように思えてくるので、、、。

クリスマスまでは勝負ですねぇ。生徒達も浮き足立ってくるので引き締めていかなければならないですね。

授業準備で忙しい中でのQTSの準備で大変でしょうけれど頑張ってください!

投稿者 月子 : November 12, 2007 09:13 AM

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