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December 19, 2007

ロンドン案内 その3

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初めてのヨーロッパという友人に楽しんでもらおうと張り切っていた私。しかし、仕事もあるので四六時中いっしょに行動はできない。

最初の週末を使って、交通機関の利用法をしっかり教え込む。トラベルカードが安くなる時間なんかを知らせておくのは当然だが、

「電車が止まったら、こうする」
「つり銭の間違いを防ぐために、ああする」

と、細かく指示している内に、
「あなたって、そんなに念には念を入れた性格だったっけ?」と不思議がられた。

いや、念を入れるつもりはないんですけどね。日本では考えられないようなトラブルがしょっちゅう起こるので、常に 「傾向と対策」を模索するくせが・・・。

逆に日本のホテルの受付で、
「明日、朝の6時に起こしてください」なんて、モーニングコールを頼むと、
「はい、かしこまりました」とあっさり言われ、
(え? こんなに簡単な手続きで大丈夫なんだろうか?)と不安になる。
イギリス暮らしのせいで、「口頭のみで書面にしない」 「一人だけに頼む」 「再確認しない」なんてことができない身体になっているのだ。

「長く住んでいるうちに用意周到になったわね」なんて言われて、
「大ざっぱで先のことなんか考えない、ノホホンとした私を返してー!」と叫びたいくらいだ。

友人をチャイナタウンの 「ウォンxx」に連れて行った。
これは 「シンプソンズ」でローストビーフをおごってくれた友人へのささやかなお礼。 ・・・確かに80ポンドのランチに対して、掛け値なしに 「ささやか」である。
ここは 「うまい」「安い」「早い」に加えて、 「店員の態度がガサツ」という四拍子そろった店だ。

「xxの歩き方」なんかを片手に貧乏旅行をする学生に人気のチャイニーズレストランだが、 「ルールズ」をご指名するような私の友人なら、まず、縁のない店だ。

しかし、私のように、たった一人で見知らぬ外国人の男と相席になりながら、3ポンド80ペンスのヌードルを食べるのがぜーんぜん平気、という女には便利な店だ。
コベントガーデンのオペラハウスに近いので、仕事帰りにオペラに行くとき、時間がかからないここを利用することがある。ま、服装的には浮いてしまうが。

この店で食べる作法は次のようである。

まず、窓に張ってあるメニューで注文するものを決める。
伝票はテーブルに来ないので、値段も覚えておく。席に着いてから、 「メニュー見せて」などと、まどろっこしいことを言わないためだ。これは立ち食いそば屋で 「お品書き見せて」と頼むようなものだ。

ドアを開けると、人数を指で示しながら入店する。
一人なら、入り口に近いエリアで他の人と 「相席」。二人以上なら、店の奥、二階、地下のどれかを指示され、そこでやはり他の客と 「相席」する。

席に着くと、おはしと急須、湯のみが投げ出されるように置かれ、
「何になさいますか?」ではなくて、
「何が欲しいんだよ?」と聞かれるので、あらかじめ決めておいた品を注文する。
二人以上の場合、別々のものを頼むと、一人が食べ終わってからもう一人の注文した料理が来たりするので注意が必要。

ここでは、ワインリストなんかは頼まないほうが賢明だ。(あるのか? この店に?)

実を言うと、私はこの店の 「異国情緒にあふれた場末感」が好き。特に 「ひとり食い」エリアにいる様々な国籍の人 (私も含むが)のしょぼい雰囲気がイカしている。
ちょっと冴えない服装のおじさんなんかと相席になると、
(旅行者にしては貧乏くさいな。出稼ぎかな? 正式な労働許可証なんか持ってない感じだよな)と勝手に決めつけたりする。

友人も 「おいしいわ」とは言わなかったものの、結構めずらしがってくれた。
「いかにも外国に来たって感じね。香港旅行を思い出さない?」
そうそう、そう言えば彼女と一緒に香港に行ったっけ。私だけが腹を下して・・・。

ここは 「香港なロンドン」だが、他にも 「アラブなロンドン」とか 「パキスタンなロンドン」もあるよ。

投稿者 lib : December 19, 2007 10:52 PM

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