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February 18, 2005
引越し <主婦編>
一週間前に引っ越した。
ローカルの不動産屋を通し、それなりの手数料を払い手続きをすすめた。引越し前に、「プロフェッショナルのクリーナーが入り、不要な家具類を取り除く」と文書で約束を交わした。
引越当日、大型バンで乗りつけると、共同の階段と廊下は古びたマットレスの山で、荷物を運びこむことが出来ない有様。すでに部屋の中に誰かいる。若い金髪の女の子がゆっくりとモップをかけ、傍らでは男(スーツ姿)がボイラーをいじくっている。何か、怪しい。
「あなた誰?」と尋ねても女の子は英語が解らないのか返事なし。後からきた旦那と義弟が声を揃えて、「おまえら誰?」と何回も尋ねると、男は気まずそうに「ここの大家から派遣されて、フラットを管理している」と言う。
よくよくフラットを見回すと、汚い。2週間前に内見したときと全く変わっていない。
ああ、コレだ。イギリスだ。こちらの期待する仕事を、お金を払っているのにも関わらず、何もやっていない。
「Last minutes job, isn’t it?」。旦那が嫌味たっぷりに言っても、素知らぬふり。男と旦那たちがごちゃごちゃやってるあいだに、台所を覗いてみた。非常に汚い。更に、マウストラップが置いてあるのを見つけ、気が遠くなった。そこで、私はキレてしまった。スーツの男にむかって
「不動産屋と何をやりとりしてたの?管理してるんだったらきちんとやる事やってよ。ネズミ出るの?!どうやってあの汚いベッドで寝ろってーの?」。子供のようにストレートな英語で訴え、自然と涙ぐんだ。
「OK!OK!新しいベッドも買う。クリーナーも呼ぶ。いらないものも取り除く!」。その男は慌てたようだった。
翌日、新しいベッドが届き、翌々日、不要品が撤去された。それでも怒りさめやらぬ私に、旦那は不思議そう。最初の家賃も半額になったし、いいじゃないかと言う。お金の問題でなく、態度の問題だ!と言っても、この日本人的律儀さを理解してくれるはずもない。それよりも、私が泣いたことにより、事が運んだことを可笑しそうに友達に話している。
結局、クリーナーは来ていない。
投稿者 lib : February 18, 2005 03:32 PM