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September 29, 2005
産後の入院 その2 出産初夜
しばらく授乳すると、息子は眠りについた。
やれやれと、新生児用のベッドに戻そうとすると、私の手を離れた途端、大きな声で泣き出した。
あわてて再び抱き寄せると、泣き止んだ。
抱いたまま寝るしかないらしい。とりあえず横になろうとベッドの、角度を「元に戻す」ボタンを押した。
動かない。
何度押しても、ベッドは水平に戻ってくれなかった。試しに逆のボタンを押してみると、なぜかこちらは大丈夫でベッドの角度は更に急になってしまった。あわててボタンから指を離した。
さて、どうしよう。ナースコールのボタンを押した。
先ほどの中国系のナースがにこにこしながら、どうしたの?と言って入って来た。
訳を話すと、彼女もボタンを押したり、ベッドを押してみたりと悪戦苦闘してくれたが、やはりうんともすんとも言わない。彼女もやはり逆のボタンを押してベッドは更に急角度に・・・。
「・・・・・もういいです・・・・。今夜はこのまま寝ます・・・・・」
と言うわけで、子供を胸に抱いたまま、上半身を45度起こした姿勢で過ごした私の出産後初夜だった。うつらうつらしながら、日本に帰る時の飛行機の中途半端なリクライニングを思い出した。かと思えば、フラッシュバックのように出産の時の風景が蘇ったりもした。たまに息子がぐずったり、おとなりさんの赤ちゃんが泣いたりした。結局は、ベッドがどうであろうが、興奮で眠れなかったかもしれない。
まんじりともせず夜を明かした私は、病室の窓がしらじらと明るくなるのを見ながら改めて感動していた。
ミッドワイフが使えなかろうが、病院の機器が古かろうが、病院のメシがまずかろうが、今、私の腕の中で奇跡の様にすやすやと眠っている我が子。
生まれてくれて、本当にありがとう。
投稿者 lib : September 29, 2005 05:22 PM