« マンU対チェルシー | メイン | 携帯電話  その2 »

November 18, 2005

家庭内多言語のカオス  

mama.gif   私の夫は英国籍の香港チャイニーズだ。彼は日本語を話さない。私は中国語は分からない。よって、二人は英語で会話する。

さて息子には。
私は日本語で話す。(日本語を覚えて欲しいという気持ちもあるが、何より私がラクだから。)
夫は英語で話す。(母国語は広東語だが、英語の方がラクらしい。)
義理の両親は広東語で話す。(毎年、香港の夏の暑さからロンドンに脱出。半年間同居する。もちろん広東語で話すのがラク)

家族の各々が、それぞれラクな方に流れた結果、息子は日・英・中の3ヶ国語を聞いて育つことになった。恵まれているといえば恵まれた環境なのだろうが、本人にしてみればいい迷惑かもしれない。息子はそれなりに混乱するらしく少し可哀相に思う時もある。

例えば、息子は話し出すのが他の子よりかなり遅かった。だからこそ、少しずつ日本語を発する様になった頃は、それは嬉しかった。しかし、息子が正しい使用法で、絶妙のタイミングで覚えたての日本語を父親に披露したとしても、夫はぽかんとしている。皆が日本語を分かる環境だったらやんややんやの大喝采を浴びる場面であろうに。

また、イギリス生まれなのだから英語ネイティブのはずなのに、彼の英語が妙にジャパニーズイングリッシュに聞こえる時がある。なんというか、一音一音はっきり発音するのだ。

例えばリフト(エレベーター)を見て、「リフト、のる」と言う。それがどうしても「LIFT」ではなく「LI・FU・TO」と聞こえる。それどころか「RIFUTO」かもしれない。アニメの「Bob the Builder」の「BOB」は「BOBU」と「ブ」までしっかりと発音。これって、私がそう言っているってこと?それに気づいた時は少々ショックだった。

それだけではない。チャイニーズアクセントが混じる単語もある。中国にももちろん外来語がある。広東語の場合、外来語の語尾がS-で終わる場合、「シー」と発音する様なのだが、なぜか息子もこの法則をしっかり遵守しているのだ。DNAのなせる業か。例えば、「FISH」は「フィシー」、「BUS」は「バーシー」、アイスクリームが食べたい場合は・・・はい、もうお分かりですね、「アイシー!アイシー!」と元気に訴えてくれる。

日本語はといえば、外国人のようなイントネーションで話す。

こうなったら、チャイニーズ&ジャパニーズアクセントの英語と、日本びいきの外国人が日本語学校で習った様な日本語と、ジャパニーズアクセントの中国語(夫によると、金城武の中国語はこれなんだそうだ)をあやつる怪しい国際人を目指してもらいたいものである。

来年1月からはナーサリー(幼稚園)が始まる。家庭外の社会生活に初めて出会う彼が、日本国内で英語を勉強して始めて海外に出た人が、人の言っていることが分からない、自分の言う事が通じない、という事実に愕然とするのと同じような状況に直面するのではないかと、少々不安なこの頃である。

(あ、ロンドン全体が人種の坩堝だった。どうせ先生も子供も、それぞれのお国のアクセントで話すか。)

投稿者 lib : November 18, 2005 11:42 PM

コメント

コメントしてください




保存しますか?