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July 06, 2006

ワールドカップ

career2.gif イングランド代表はポルトガルに負けてワールドカップを去った。

この手のお祭り騒ぎには個人の人柄、お国柄が表れて、人間観察、社会観察には最高である。
私も自宅で日本戦を2ゲーム見た。
もともとスポーツ観戦には興味がないので、90分もじっとサッカーを見るというのは、かなりの自己犠牲を伴う愛国精神の表れである。
そういえば、前回見たのは4年前のワールドカップ。
4年に一度の愛国精神って・・・。

夕方の5時からのイングランド戦では4時45分に全員がオフィスから消えた。
残ったのはフランス人チームの同僚だけ。みんな大画面テレビのあるパブに出かけたらしい。
私も誘われたが、「うん、あとで行くね」と言いながら、そ知らぬ顔で友人とベトナム料理を食べに行く。

「ならず者の一団」が来るという情報の入った西部の町のようにゴーストタウン化したロンドンの町。 いつもの夕方のラッシュもなく、車はスイスイと道路を進む。
思ったとおりでレストランはガラガラだった。

と、そこにもテレビがあり、スタッフのベトナム人の男の子達が歓声を上げながらゲームを見ている。グリーンパパイヤとかマンゴーのサラダ、生春巻きなどを作りながら、必死でイングランドチームを応援。
出身はベトナムでも、イングランドが「わがチーム」らしい。試合時間に便乗し、さっさとオフィスを抜けて、ご飯を食べにやってきた私たちとはイギリスに対する忠誠心(?)が違うな。

フットボールといえば、私はかつて、「サッカーの女王」と呼ばれた学生時代があったことを思い出した。先生に「では、彼女にやってもらうので、よく見てみなさい」とお手本とされる学生だったのだ。
ただし、音楽大学である。なんで音大の「一般教養」に体育があり、おまけにサッカーの実技があったのか、よくわからない。埼玉のド田舎の広々としたキャンパスの地の利を役立てようと思ったのかもしれない。

音大生というのは楽器の演奏をするので指を守る必要から、
「ぞうきんを絞ったことがない」
「包丁は遠くから眺めるだけにしている」
「フライパンを手にした記憶がない」
などと、社会的に役立たずの連中がいっぱいで、つき指を避けるために球技類は禁止されて育っている。
で、まがりなりにもサッカーボールを蹴ることができるような野蛮な学生は私しかいなかったのである。
「女王」のわりにはレベルが低いが。

近所の家の窓にはイングランドの旗 (こっちに来て初めて見たぞ)、車にも棒つきの旗がなびく。
「国家主義になりかねない。旗を掲げるのはやめよう」という政治的議論もあったようだが、ワールドカップが終われば、いつもの「マンチェスター・ユナイテッド」だの「チェルシー」ファンにもどるだけ。 ま、お祭り時の「衣替え」みたいなものだろうか。

ブラジルやイタリアの旗を出している勇気のある人たちもいて、お調子者の私も一瞬、日本の国旗を窓に・・・と思ったが、右翼的政治団体のチンピラに目をつけられるのも面倒なので、やめておいた。

イングランドチームが敗退すると、近くのスーパーマーケットでイングランドの旗を25ペンスでたたき売りしていた。

神をも恐れぬ売国奴による国辱的行為である。

・・・でも、安くて手ごろ。日本の親戚の子供たちへのおみやげにしようかな、と思って買ってみた。

どうせ私は非国民(イギリス人に非ず)だしね。

投稿者 lib : July 6, 2006 09:20 AM

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