February 22, 2007
ちょい詐欺事件 その2
ピカディリー・サーカスやコベントガーデンあたりで、小さな花のブーケを押しつけられることがある。 一度、電車の中で座席や床にゴミを撒き散らしながら、せっせとこのブーケを作っていた親子を見た。会話からはとてもチャリティには思えなかった。
日本から来た親戚の子と歩いていたときに、さっと差し出されたことがある。
「ロンドンの歩き方 - 詐欺編」は教えこんでいたので、ふたりで知らん顔をしたが、
「これはね、チャリティなのよ」と追いかけられた。
「あーら、そうなの? じゃ、どうしてIDカードをつけてないの? チャリティの登録番号を見せて証明しなさいよ」と問いつめてやろうと思ったが、
親戚の子に 「ロンドンの広場でチャリティの人に喧嘩を売ってたよ。こわかった」などと私の親に 「通報」されるとまずい。しかたなく、「英語がわかりません」と逃げた。
「ロンドン貸し部屋フェア」という広告が新聞に載った。
ビクトリア駅に近いビルの一室に 「たった今、運び込まれたばかり」といった感じでデスクが置かれ、5-6人のスタッフによって 「一時的に」開かれている。
部屋探しに来ているのはイギリス、あるいはロンドンに 「来たばかりで様子がわからない」旅行者か留学生という雰囲気の連中。
バイトで雇われたが、不動産のことは何も知らない。雇い主の顔も見たことがないのではないかと思われる若いスタッフが対応する。
探している部屋の場所や予算を聞くと、その場でどこかに電話を入れる。
「はい、わかりました」と言い、電話が切られる。
「あなたの希望にあう物件がいくつかありますが、紹介料として100ポンドを内金で払ってください。部屋が決まった時点でその内金は部屋代の一部となります。トラベラーズ・チェックはダメです。現金でお願いします」ということだったそうだ。
友人は怪しいと思ってやめたというが、数日後には 「フェア」の会場はもぬけのカラで 「内金」にもさようなら。部屋なんて元々ないしー、の世界だったのではないか?
先日はシティの道端で呼び止められた。
「きれいな髪ね。どこでヘアカットしてるの?」
「よく言われるの、きれいな髪だって。特に男の人にね。パーティなんかで・・・ペラペラ」
(ご推察通り、ワインバーから出てきたところで、私は酔っ払っていた)
話しかけたおねえさんは私の話をさえぎる (誰でもそうするだろう)
「有名なヘアドレッサーがカット、プロがメイク、それをカメラマンが写真をとるイベントだけど、興味あるかしら? キャンペーン価格でたったの45ポンドなんだけど」
―――この場で現金を払う人だけ予約できるとか。
「わー、素敵! お金とって来るから、ここで待っててねー。きっとよー」
と言ったきり、帰ってこなかったのは私だ。
何せ、酔っ払っていたからねえ。
「ナイジェリアからの手紙」は有名だ。
「ジョーンズ氏が死去されましたが、遺産を受け取る家族はおられません。当弁護士事務所が調査したところによると、貴殿が遠い親戚関係にあるようです。遺産の200万ポンドを受け取る気があればご連絡ください」
おお、ジョーンズ氏という親戚があったのか、知らなかった。なになに、200万ポンドの遺産だと? 欲しい、欲しい、と返事をする。
この後の展開はたぶん、
「ご親戚の方が見つかって、当弁護士事務所も責務を果たし安心しました。つきましては送付先として貴殿の銀行口座をお知らせください。また、この案件に関しまして、弁護士費用と銀行送料の1500ポンドがかかりますので、お支払いくだされば幸いです。それを受け取り次第、遺産をお送りいたします」といった感じではないだろうか?
200万ポンドのためならと1500ポンドの手数料を払う・・・人がいるのか?
手数料を払った後で、すんなり200万ポンドを受け取った・・・人がいるのか?
しかし、日本の「何百万円、何千万円」とかの詐欺に比べて、イギリスの詐欺はせこいねー。
M資金とか徳川の埋蔵金とか日本陸軍の隠し金塊みたいに派手な詐欺を聞いてみたいものだ。
おもしろい詐欺話があれば、教えてください。(いえいえ、まねをして、ひと稼ぎするつもりはありませんよ・・・)
投稿者 lib : February 22, 2007 09:31 AM