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March 15, 2007
フリーメイソン
フリーメイソンのパーティに行ってきた。
元同僚から 「友人が今年の会頭を勤めるのでお披露目のパーティにペアで招待されたけど、一緒に行く女性がいないので来てくれない?」と頼まれたのだった。
パーティの 「パートナー代行業務」といえる。
この手のお誘いはときどきある。正式なパーティはパートナー同伴が多いのだが、離婚率の高いイギリス人のこと、連れて行くべき妻がいない人もいる。
でも、イギリス人の女性に頼むと 「どんな関係?」 と面倒な憶測を呼ぶ。
で、 「妻とは別れたし、ちょうどガールフレンドもいないので、文化紹介がてら外国人女性 (私のことだ)を連れてきた」ということにするらしい。
代行してもお金を貰えるわけではないが、タダ酒が飲める上、50ポンド程度の食事も出るので、物見遊山も兼ねてお誘いに乗る。パーティは基本的に好きだし、11月、12月のパーティラッシュシーズンを除けば、仕事がらみでないパーティに出かけるのはいいものだ。
(ついでに言うと、「スピードデート」(2006年3月9日のブログ)の主催者からも、ときどき、「女性の人数が足らないから来て」と頼まれる。これは完璧に 「サクラ」だな。ただし、これもお金は貰えない。ネタにはなるが)
しかし、この招待を受けるときには少しもめた。
「フリーメイソンのパーティなんだけど、来てくれない?」
「ええ? ちょっとまずくない? 私、白人じゃないわよ」
「白人じゃないとまずいってどういうこと?」
「リンチされたりして」
「・・・もしかして、KKK団と間違えてない?」
「あ・・・」
・・・失礼しました。アメリカ南部の白人至上主義、人種差別ハードコア集団、秘密組織のKKK団と混乱してました。
リンチの心配がなくなったので参加することにする。
某地方都市のホールにフリーメイソンのメンバーが集まる。白人の中年男性が中心で奥さん連れのブラックタイ、ロングドレスのフォーマルディナーである。
「あれが友達なんだ。今年の会頭」
見れば彼の友人はなんと黒人のおじさんで奥さんは白人だった。
なーんだ。有色人種の人が会頭じゃないの。心配して損しちゃったよ。
(と、まだイメージはKKK団の呪縛からのがれていなかった)
「こいつさー、フリーメイソンとKKK団をごっちゃにして・・・」と私の無知をばらされそうになったのを何とかごまかした。
こういう会が主催のパーティはやたらと乾杯がある。まず、女王陛下に乾杯 (この国で一番えらい人だから当然か)それから創立者に乾杯、去年の会頭に乾杯、今年の新会頭に乾杯・・・と延々と続く。女王陛下以外は誰も知らないけど、まあいいか。
やはり、地方都市では「イギリス系白人」が多い。
あまり東洋人なんか見たことがないイギリス人のおばちゃんたちに色々と質問をされ、
「今度、お寿司の作り方を教えてね」という依頼をたくさん受けた。
イギリスの一般的な主婦は、米をとがず、水につけおくこともせず、たっぷりの水で、鍋にふたもせず、強火で 「ゆがく」。火が通ったら 「ざるで水切り」しておしまいだ。
そんな人たちに高度なお寿司の調理法など、というか、それ以前に 「米の炊き方」なんかを説明しようと思うと気が遠くなりそうだ。
はいはい、いいわよー、と安請け合いはしたが、実行する気はない。
(一夜の戯れ言だと思って、私のことなんか忘れてね)
メンバーのおじさんたちは何かのビジネスをしている自営業がほとんどで、現代のフリーメイソンは 「中小企業社長の寄り合い友愛会」であることが判明した。
こんなパーティも目的は 「奥さんにロングのパーティドレスを着せる機会を年に一回ぐらいは作らないと機嫌が悪くなるので」開かれているようだ。
目の部分だけ開いたとんがり帽子の白い被り物をして、パジャマのような服を着たKKK団に火あぶりにされたりしなくて本当に良かった。
リンチと火あぶりがないなら、また行きたい。イギリス人のおばちゃんたちにもかわいがられたし。次回までに彼女ができなかったらまた呼んでね。
投稿者 lib : March 15, 2007 10:06 AM
コメント
もしかして、あのコベントガーデンにある場所でやったのですか??
握手って、特別のやり方あるってきいたけど、本当かしら?すごーく興味がありますね。今度人が足りないときは、お誘いください。けいこ
投稿者 けいこ : March 15, 2007 05:00 PM
こんにちは。初めての書き込みです。おもしろいですね、このレポートは。HM custom & revenueが税務調査と称して、あれこれと強気に資料の開示を求めてきてその対応の最中にいます。まあ、仕方ないですね、何と言ってもHer Majestyでは、日本語に置き換えるのが難しいけれど、いわば宮内庁が税金の取立屋なのですから。では、また。
投稿者 Masato : March 17, 2007 03:36 AM
このパーティはロンドンの郊外でありました。
特別な握手には気づきませんでしたが、会の始めにひとりのおじさんが会場の端から端まで、アイススケートのような動きで、何か特別なセリフを言いながら歩いたのが印象的。笑ったらまずいと思って我慢したら、思わず鼻の穴がピクピクしました。
KKK団との区別はつくようになりましたが、あまりに普通で今度はロータリークラブとの相違点がわからなくなりました。助けて。
投稿者 十貴川 洋子 : March 20, 2007 10:53 AM
役人の命令をすんなり聞かないのがイギリスの伝統です。提出する資料の間にページ3ガールの裸の写真をはさみこみ、「宗教的理由により挿入してあります。移動させないで下さい」と書いて、いやがらせしましょう。
「日本人としてはこれで払います」と大判、小判で税金を払うのも手です。
「人種差別」と「宗教差別」が役人のアキレス腱です。文句を言われたら、「差別を受けた」と裁判に持ち込みましょう。たぶん、・・・負けますが。
投稿者 十貴川 洋子 : March 20, 2007 11:02 AM