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March 27, 2007

息子 近況 3

mama.gif
先日キッチンにいると、息子がふざけて、椅子から飛び降り始めた。

我が家の狭いキッチンでそんなことをされては非常に危険なので、少しきつく叱った。

居間に退散した息子は少し泣いていたようだが、しばらくするとキッチンに戻ってきた。
手にはその日、幼稚園から配られた「レッドノーズデーのお知らせ」(イギリスのチャリティーの日、レッドノーズデーへの寄付のお願いとか、その日は仮装してきましょう、とかそんな事が書いてあった)のプリントが握りしめられている。

何事かと思って息子を見ていると、プリントを両手で目の高さまで持っていき、おもむろに歌い始めた。

♪ I love you mummy
You make me happy
When I am sad
I want to tell you
I love you mummy……..♪

ぐわーん。晴天の霹靂とはこの事だ。
未だに言葉があまりはっきり話せない息子だが、この歌詞はすべて聞き取れた。

その週末に控えていた「母の日」(イギリスでは3月)に向けて、幼稚園で習ったのであろうことは容易に想像できたが、こんな歌を歌ってくれるなんて想像してもいなかった。

ふと昔のことを思い出した。
仕事をしていた頃、「家族愛」をテーマにした広告の企画があった。
会議で
「ああ、家族が幸せそうに食事していたり、犬連れて公園を散歩したりするイメージですよね~。ああいうのって、好感度高いんですよねー。安易で私は大ッ嫌いですけど。」
と発言すると、同じ席上にいた人に
「世の中の人は山口さんみたいに心がすさんでないんですよ・・・」
と申し訳なさそうに言われた事があった。

「心のすさんだ女」の烙印を押されてまで自分の意見を主張した私が、息子のこのような安易な手法に易々と心を動かされてよいものか・・・という葛藤が一瞬、体中を駆け巡ったが、4歳児を相手に意地になるのも大人気ないと思い直し、ここは素直に感動する事にした。

「わ~!ありがとう!いい歌だね~!マミー嬉しい!」
と息子を抱きしめたものの、彼は予想以上の私の「熱烈歓迎」なリアクションにおじけついたのか、
「もう一度歌って」
とリクエストしても、頑として歌ってくれなかった。

(ちなみに息子の性格を知る私としては、叱られた後にこの歌を歌い出したのは別に仲直りしようとした訳ではなく、たまたまそのプリントを見て、脳内が「歌うモード」にカチッと変換されただけだと思う)

あの歌をもう一度聞きたい、もう一度聞きたい・・・
しかし、元「心のすさんだ女」の人並みの親の願いは受け入れられなかった。

しかし数時間後、無造作にテーブルの上に置かれたプリントを見た息子は両手でそれを持ち上げ、突如としてまた歌い始めた。
♪ I love you mummy……♪

このプリントは保護者への連絡事項で、もちろん歌詞は書いてないのだが、どうやら歌を習った日とプリントを配られた日が同じだった事から、このプリントを見ると息子は、パブロフの犬の様に反射的に歌い出す仕組みらしい。

となれば話は早い。
プリントのコピーをとりまくり、居間のテーブル、キッチンの椅子の上、おもちゃ箱の上、冷蔵庫の中など、家中の息子の目につきそうな場所に「さりげなく」置いた。

「さりげなく」置いたつもりだったが敵もさる物、母親の姑息な作戦をすぐに感じ取ったらしく、易々と歌ってはくれない。

素晴らしいと(思われた)心理作戦も徒労に終わり、再び歌を聞けたのは、その週末の金曜日だった。

息子を幼稚園に迎えに行くと、先生が
「今日はサプライズがあります」
と言って、子供達が皆で
♪I love you mummy…..♪

と例の歌を歌い始めたのだ。

ここで初めて、この歌が“You are my sunshine”の替え歌だったことが判明した。
(息子が歌ってくれた時は歌詞は分かったがリズムは判別不明だった)

元「心のすさんだ女」の心も溶かした天使の歌声、(実際には強制的に歌わされる子供達はダレきっていたが)先生&子供達、ありがとう。
(こんな歌を教えてくれる幼稚園はいい所だ。息子がキッチンで始めて歌ってくれたのは本当のサプライズだった。感動しましたよ~!)

投稿者 lib : March 27, 2007 12:34 PM

コメント

いいなー。いいなー。私にもそんな子供がほしいな。

投稿者 ミドリ : March 27, 2007 11:59 PM

ありがとうございます。
しかしその後「また歌って~」とリクエストしても、「マミーの日はもう過ぎたからダメ」とイケずな態度で拒否されます。幻の一曲となってしまいました。

投稿者 子育てママ : April 3, 2007 12:09 AM

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