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June 11, 2008
地下室に続く謎のドア
今、うちでは玄関先の工事をしている。
イギリスにお住まいの方にはお馴染みだと思うが、こっちの家は、門から敷地に入り、階段を上った所にドアがある家が多い。(3~4Floor ある、比較的古い建物の場合)
なぜ地面と同じレベルに玄関を作らないかと言うと、Basementという半地下の階があるので、Basementの天井(つまりGround Floor-日本で言う一階の床)の地点まで階段を上り、Ground Floorから家の中に入る仕組みだから(だと思う)。
という訳で、Basementの部屋に住んでいる人は、半分地中で暮らしていることになる。
なぜ、シンプルに地上に建物を建てず、こんな複雑な構造にしたのかはよく分かりません。(ご存知の方は教えてください)
ちなみに家は4階建てで、下の2Floors(Ground floor とBasement)には他の家族が住み、私達はその上の階に住んでいる。
下に住んでいる家族は引越しして出て行き、今現在は空き家となっている。
何はともあれ玄関の話に戻すと、門から階段までの3メートル位の通路(ドライブウエイというのか?)と階段がひび割れてきて危ないので、表面のコンクリートを外して新しく作り直しているのだ。
工事の人は、階段を少しずつ壊していって、今は階段の姿は残っているが、側面に穴の開いた形になっている。
(説明するの難しいですねー)
で、毎日の様に昇り降りしていた階段の「中身」をその側面から初めてのぞいた。
階段の「中」ってどうなってると思います?
中は空洞で、鉄の支柱でドアの前の踊り場(というのか?)を支えてあった。
「へえー、中は空洞だったんだ」
素人には小さな発見だった。
先日、近所のニッキーが遊びに来ていた時、家の中で遊ぶのにも飽きて、玄関先で息子と二人、遊び始めた。
職人さん達は帰った後だったが、「工事現場」は子供達にとってはとっても面白く発見の多い遊び場だ。
「危ないかな…」とは思いつつ、二人で喜んで遊んでいるので、そのままにさせておいた。
するとしばらくしてから、ニッキーが興奮した様に家の中に入っていて、
「ねえ!階段の下に、Trap Door があるよ!」
と報告しに来た。
「Ah?Trap door? そんなもん、ある訳ないじゃん」
と相手にしなかったが、あまりにニッキーが本当だ本当だとうるさいので、私も外に見に行った。
膝を曲げて、側面の穴から中を見ると…
確かに、ある。
てっきりただの空洞だと思っていた階段の「中」に、Basementの部屋から続くと思われる「ドア」がある。
しかも、割と新しそうである。
一瞬血の気が引いて、先月オーストリアで発見された「実娘監禁事件」を思い出した。
「ほ…ほんとにあるよ…」
「僕達の言ったこと、うそじゃないだろ?」
ニッキーと息子と私、3人通りに向かってお尻を突き出す形で、穴から内部のドアを観察していると、夫が仕事から帰ってきた。
「3人で何してるの?」
「お、おかえりなさい。この中にね、地下から続くドアがあるのよ…(顔面蒼白)」
「ええ?ちょっと見せて」
夫もお尻を突き出して、中を見る。
「確かに、あるな…」
「ね?あるでしょ?そういえば、下からなんか臭い匂いが漂ってきたことあったよね…(顔面さらに蒼白)」
「しかし、これは物置として使うのでは?」
「はい?」
というわけで、「監禁部屋疑惑」は夫の一言により、あっけなく払拭された。
「なんだーニッキー、驚かさないでよねー」
とやんややんやと家に入ったが、また数分すると、ニッキーが家に上がってきて、
「脇の小窓から、Dead Bodyが見えたよ!中にDead Bodyがあるよ!」
と報告しに来た。
「事件」でなくてがっかりしたのは分かるけど、人の家(性格には階下の家)を勝手に「監禁部屋」にしないでよね。
とりあえず、
「あの家の地下にはTrap doorがあって、中にDead Bodyがあるのを見たよ」
とか近所で言いふらさないでよね…と硬く口止め…いや、注意し、ニッキーを家に返した。
もし「北ロンドンのある家の地下に、監禁部屋に続くドアがあり、中では実の娘とその子供達を監禁している鬼畜夫婦がいる…だが妻はその事実を知らないと言い張っている」
とか尾ひれがついて噂が周っていたら、それ、嘘ですから。信用しないでくださいね。
投稿者 lib : June 11, 2008 12:55 PM