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January 18, 2009

Surprise Visit

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金曜日は7年生の特別プロジェクトFlexible Fridayの授業のある日(Flexible Fridayについては2007年6月27日の過去ブログ「Freaky Fridays」を参照)です。

私が担当しているプロジェクト「Our East End」は主に東ロンドンの19世紀、20世紀初頭の女性と女性の市民権運動に焦点を当てています。

女性たちが当時、どのように生活し、実際どのような困難と向き合っていたか、そしてそのような状況で東ロンドンの労働者階級の女性たち、そして彼女らを支えた政治家や市民権運動のアクティビストたちがどうやって女性の権利のために立ち上がり、権利獲得のために戦ったのかなどを色々なアクティビティを通して学ぶのです。

具体的には私の勤務校の近くにまだ建物が残るマッチ工場の女性労働者たちの賃上げや労働条件向上のためのストライキ、そして東ロンドンが大きな舞台となったイギリスの女性参政権運動などに焦点を当てています。

ただ、このプロジェクト、単に歴史事件の内容を学ぶというよりは、この題材を通してチームワーク、資料の使い方、ディスカッションの仕方、効果的な質問の問いかけ方(effective questioning)などを学ぶのです。前にも述べた「Learning to learn(学ぶための学び)」のコンセプトが根底にあるのです。

今日のセッションもSocratic talkという哲学者ソクラテスの「問答法(相手の持つ考えに対し、疑問を投げかけることによって考えを深めていく)」のコンセプトに基づいた討論を実践してみる、というものでした。

授業が始まり、前回のおさらいをして、今日のアクティビティの説明をして、、、と授業を進めていると、突然、副教頭のVとVisitor(訪問者)バッジを付けた見知らぬ顔の女性が教室に入ってきました。

私の学校では授業の途中で色々な用で人が入ってくることは非常によくあることなのですが、いくら副教頭と一緒とはいえ、さすがに部外者が突然入ってくることは滅多にありません。

一瞬止まってしまった私に副教頭Vが「あっ、そのまま普通に授業を続けてください」と言うので、言われたとおり普通に続けました。といっても、私がしゃべり続けるというよりは、生徒が自分たちのグループでディスカッションの準備として資料を見ながら与えられた議題について話し合うというタスクを私が手伝うという形でしたが。

副教頭Vがさりげなく近づいてきて、この訪問の目的が書かれた紙を私に手渡してきました。そこにはこの授業観察が「子供と直接対話し、子供自身がどのように授業でおこなわれていることを理解し、どんな風に学んでいるか、そして、子供たちがどのように自分たちの学習を自覚し、評価しているか、教師がその過程をどのように助けているかを知る」という目的でおこなわれていること、放課後に授業の担当教師が授業観察のフィードバック(感想?)をもらえる機会があるという旨が書いてありました。なるほど、その訪問者をちらりと見ると、生徒に話しかけて色々と質問しては紙に色々と書き込んでいます。

この突然の訪問、私のほうは不思議とあまり驚きも緊張もしませんでした。滞在時間も10分強くらいでしょうか。そんなに長くはありませんでした。そして、その後は何事も無かったかのように授業は進行し、10分後には誰かが観察しに来たこともすっかり忘れるほどでした。

ところがその後、お昼休みに教職員のラウンジに行くと、例の授業観察が複数の教師の授業でおこなわれていたこと、他の教師はOfstedの予行練習のように捉えていた事を知りました。そこで初めて、「私、あれで大丈夫だったんだろうか」と、放課後に予定されている授業観察者との対話を少し不安に思いはじめました。

が、実際にはそれも杞憂に終わりました。別にするどく突っ込まれることも無く、私がプロジェクトの目的や内容、今日の授業の全体像や普段やっている取り組みの趣旨などを説明、そこに1,2点、観察者がコメントを加えるといった感じでした。ただ、私の悪い癖で質問にずばり簡潔に答えず、内容を冷静に整理せずに弾丸のごとくしゃべってしまった感が。

とにかく、面接などで間があいて沈黙が続くのが嫌でしゃべり続けるタイプ、それが私なのです。そのうち、聞かれた質問から話が外れそうになります。それを必死に戻そうとすることもしばしば。でも、そこで焦ると頭が真っ白になることも。ちなみに日本語でもやってしまいます、、、。この不得意分野、というか大きな弱点、Ofsted訪問のためにも鍛えたほうがいいなと心底思いました。

それでも、今日のこれが本当のOfstedの監査だったら良かったのにと思ってしまいます。かえって事前告知の無い電撃訪問のほうが気が楽かもしれないですね。だって、いきなり来ていきなり終わってしまうんですからね。

投稿者 lib : January 18, 2009 02:29 PM

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