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May 28, 2009
別れの季節。
今週はハーフターム。学期の中休みです。
今年はイースター休暇から4週間でハーフタームとあっという間でした。このハーフタームが終われば、夏学期の終わりまで8週間あります。
さて、毎年この季節になると今学期いっぱいで学校をやめていく教師もいるので、新しい教員を雇うために面接があちこちの学科でおこなわれます。
先日もArt&DesignとMathsで面接があったようで、朝から志望者たちが受け付け付近で待つ姿が多く見られました。
そして、、、私の学部Humanitiesでも二人の同僚が学校をやめることになりました。
そのうちの一人は地理教師E。彼女は私が知るイギリス人の中でも驚くくらい真面目で働き者。一昨年、教育実習で初めてうちの学校に来て、翌年にそのまま就職しました。
二年目の今年は地理の学科主任が学校内の他のポジションに移ったため、彼女が学科主任代理を務めていました。
ところが、彼女以外の地理教師が一年契約の臨時教師であったり、副校長を兼任していたりと、授業計画や教材作りを協力できる教師は皆無。そして、地理だけでなく、Travel and TourismというVocational course(職業訓練コース)の主任も実質務めており、学科主任の事務も含めてほとんどの仕事を彼女が一人でこなす状況でした。
私と同僚Eは歳も同じ、お互い学校が閉まる6時まで仕事をして帰ることが多いので、帰り道でお互いの仕事の愚痴を言うこともしばしばでした。
それでも、5年目で少しは要領も得て、集中してきっちり仕事をこなすところと手を抜く部分のバランスが分かってきた私と、二年目でなんでも一生懸命やろうとする(しかも私の二年目よりも仕事はたぶん二倍以上)彼女とでは大変さが違うのはわかっていました、、、。
この状況でも学校は予算の都合からもっと学科運営の経験のある教師をパーマネント契約で雇うこともなく、他の人文系の学科の教師に地理を教えさせるという有様。
これでは来年か、再来年か、彼女は教師を辞めてしまうのではないかと私は思っていましたし、実際彼女も今の学校のあり方に疑問を持っていることを常日頃話していました。
そして先週、違う学校での仕事を見つけた彼女は見事面接で受かり、その学校での就職を決めたのです。そんな彼女が選んだのは「学科主任」ではなく「普通の教師」のポジション。雑務に追われてまともに「教えること」に集中できない今の状況を限界に感じたのです。
こんなに努力家で生徒の学びのことを第一に考えていた教師をサポートせずに追いやった代償は大きいと思います。
この間の教員組合のミーティングでも、Ofstedの学校監査以降の上層部の対応、特に教員をまるで「監視」するかのような体制に不満が噴出していることは明らかでした。
私もここ数ヶ月はOfstedがらみで色々あり、精神的にきつい思いをしていたこともあったので、他にも似たような経験をしている教師が多数いたことに驚きました。
この今年に入ってからの経験で、私自身成長したことは間違いないし、やっと前向きに捉えて自分のやっていることに自信を取り戻しつつあるものの、学校全体が暗い雰囲気に包まれていることへの不安はぬぐえません。
私はまだ今の学校でチャレンジし続けたいと思っていますが、他の学校に行きたいと思ったときに自分の長所、自分が学科のために今までやってきたことをアピールできる自分でありたいなと正直思いました。
それにしても、9月から帰り道が淋しくなります。でも、同僚Eには新天地でのびのび頑張って欲しい。そして、お互いそれぞれの場所でまた良い出会いがあることを祈って、、、。
投稿者 lib : May 28, 2009 05:53 PM